NS NOW No.3

テント上髄膜腫

アプローチから摘出まで

テント上髄膜腫

■担当編集委員 新井 一

定価 11,000円(税込) (本体10,000円+税)
  • A4判  160ページ  2色(一部カラー),イラスト200点,写真50点
  • 2008年7月22日刊行
  • ISBN978-4-7583-0910-3

テント上髄膜腫の治療戦略の基本から応用まであらゆる部位の手術方法の解説書

NS NOW の第3弾は良性脳腫瘍とされるテント上髄膜腫である。脳神経外科医にとって,多く遭遇する腫瘍であり,難易度も発生部位によって大きく異なるため,アプローチから閉頭までそれぞれの手技をしっかり把握しておく必要がある。
前半の「治療戦略の基本」では治療の基本的なコンセプトに触れ,基本から学べるようにまとめられ,後半の「部位別応用編」では大脳円蓋部髄膜腫から鞍結節髄膜腫,さらに再発腫瘍に対する手術について多くのイラストと写真を用いて解説されている。
エキスパート達によってまとめられた本書をしっかり読んで,一層のレベルアップを図っていただき手術に臨んでもらえるように手術手技のすべてを網羅した一冊である。

■シリーズ編集委員
寺本 明/新井 一/塩川芳昭/大畑建治


序文

 NS NOWシリーズも,本号で第3号の発行を迎えることになった。今回は,「テント上髄膜腫」をテーマとして取り上げた。髄膜腫は脳神経外科医にとって最も親しみのある良性脳腫瘍であるが,腫瘍の発生部位によって手術難易度は大きく異なり,その治療戦略も決して一様ではない。本書の前半では,画像診断,手術,術前塞栓術,ガンマナイフと治療戦略の基本についてそれぞれのエキスパートに解説いただいた。また後半では,大脳円蓋部髄膜腫に始まり鞍結節髄膜腫,さらには再発髄膜腫まで計9種類の腫瘍について,実際の手術手順にしたがってそのコツやピットフォールが詳細に述べられている。いずれも経験豊富な著者であるが,執筆にあたっては教科書的な記載は省略し,単刀直入に必須事項に入っていただくようにお願いをした。硬膜再建の必要な円蓋部髄膜腫,静脈洞の処理が問題となる傍矢状洞髄膜腫,頭蓋底外科の技術を要する前床突起髄膜腫等々,本書に述べられている手術手技に習熟すれば腫瘍外科のABCをマスターしたといっても過言ではない。脳動脈瘤症例のかなりの部分が瘤塞栓術(コイリング)によって治療されている現状を考えると,マイクロサージェリー修得の一つの到達点であった開頭クリッピング術が最早,そうではなくなり,髄膜腫に対する手術がそれに取って代わる可能性があるように思われる。そのような意味からも,テント上髄膜腫に対する手術の実践書ともいえる本書の存在意義は極めて深いと考える。
 若手脳神経外科医が実際の症例を目の前にして,どのように治療戦略を立て,どのような手順で手術を行うのか,本書を読み返してもらうことにより安全かつ確実な腫瘍摘出が行われることを切に希望する。

2008年6月
新井 一
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目次

I 治療戦略の基本 
 髄膜腫摘出の原則  後藤剛夫,大畑建治
  ■本術式の特徴
  ■手術手技
   手術体位
   開頭範囲
   腫瘍切除
   閉創
  ■髄膜腫手術と脳動脈瘤手術の違いとは
 開頭術の基本  吉田一成
  ■病態と摘出目標
  ■基本的手術戦略
   術前準備
   手術戦略
  ■手術手技
   体位・頭位の原則
   皮膚切開
   筋膜弁,骨膜弁の作成
   開頭
   栄養血管
   付着部硬膜の硬膜外剥離
   腫瘍被膜
   静脈洞浸潤
   腫瘍摘出の原則
   硬膜・頭蓋形成
  ■テント上髄膜腫治療のpolicy
 画像診断と治療戦略  本郷一博
  ■アウトライン
  ■画像検査の種類とそれぞれから得られる情報,および手術における注意点
   単純X線写真
   CT
   MRI
   血管撮影
 術前塞栓術  大石英則
  ■本術式の特徴
  ■塞栓材料
  ■手術手技
   術前準備
   アプローチ
   全身ヘパリン化
   ガイディングカテーテル留置
   マイクロカテーテル
   塞栓の実際
  ■塞栓術から摘出術までの期間
  ■合併症
  ■症例提示
 ガンマナイフ  山本昌昭
  ■本術式の特徴
  ■患者へのアプローチ
  ■手術手技
   フレーム装着
   画像検査
   照射計画
   照射
   フレーム離脱
II 部位別応用編 
 大脳円蓋部髄膜腫  安本幸正
  ■本術式の特徴
  ■手術手技
   術前準備
   手術手技
   合併症
 傍矢状洞髄膜腫  大上史朗,大西丘倫
  ■本術式の特徴
  ■手術手技
   術前準備
   手術体位
   使用器具
   麻酔
   皮膚切開
   開頭
   腫瘍摘出
   腫瘍摘出後の腫瘍付着部の処置
   腫瘍摘出後の止血
   閉創
  ■傍矢状洞髄膜腫の手術のポイント
 大脳鎌髄膜腫  伊達 勲,安原隆雄
  ■本術式の特徴
  ■手術手技
   術前準備
   手術手技(マクロ操作)
   手術手技(マイクロ操作)
   合併症
 側脳室髄膜腫  溝井和夫
  ■本術式の特徴
  ■手術手技
   術前準備
   手術手技
   合併症
 嗅溝髄膜腫  齋藤 清
  ■本術式の特徴
  ■手術手技
   術前準備
   手術手技
   合併症
 蝶形骨縁髄膜腫  長谷川光広
  ■本術式の特徴
  ■手術手技(マクロ操作)
   体位と皮膚切開
   開頭
  ■血管撮影ならびに腫瘍塞栓術
  ■手術手技(マイクロ操作)
   剥離操作
   腫瘍の摘出
   閉頭
  前床突起髄膜腫
  川原信隆
  ■本術式の特徴
  ■手術手技
   術前準備
   手術手技
   合併症
  ■前床突起髄膜腫摘出術とは
 鞍結節髄膜腫ーinterhemispheric approach  山上岩男
  ■本術式の特徴
  ■IHAとは
   IHAの特徴
   IHAの適応と術前評価
   IHAのバリエーション:unilateral IHAか? bifrontal IHAか?
  ■手術手技(マクロ操作)
   体位
   皮膚切開
   開頭
   硬膜切開
  ■手術手技(マイクロ操作)
   大脳半球間裂の剥離
   腫瘍摘出
   静脈性合併症とその対応
 鞍結節髄膜腫−pterional approach, subfrontal approach  木内博之,佐藤 崇
  ■本術式の特徴
  ■手術手技
   手術側の決定
   手術手技(マクロ操作)
   手術手技(マイクロ操作)
   閉創
   合併症
   pterional approachに関して
 再発髄膜腫  中溝 玲,井上 亨
  ■本術式の特徴
  ■術前準備
   前回手術情報の収集
   画像所見の十分な検討
   手術支援器具の準備
  ■手術手技
   再開頭と皮膚切開の工夫
   腫瘍摘出の原則
   腫瘍の剥離
   十分な内減圧
   付着部の処理
   閉頭時の注意
  ■症例提示
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