ユキティのER画像Teaching File

ユキティのER画像Teaching File

■著者 熊坂 由紀子

定価 4,180円(税込) (本体3,800円+税)
  • A5判  234ページ  2色(一部カラー),イラスト70点,写真412点
  • 2014年3月25日刊行
  • ISBN978-4-7583-0899-1

ERで必要な読影力がバッチリ身につきます

救急外来では,緊急手術の判断を求められる疾患に対し,あらゆる科の医師がCT・MRIの読影をしなければならない。本書では,著者が「いわてイーハトーヴ臨床研修病院群」で開いているセミナーをもとに,放射線科以外のドクターが救急で“これだけは読めるようになるべき疾患”に絞って,読影のコツ,ポイントを,また,緊急手術の判断をどこで見極めるか,注目すべき所見がどこか,をわかりやすく解説している。まるで「ユキティ先生」がマンツーマンで教えてくれているかのようにするすると画像がみえるようになる。
付録「CT所見ギャラリー」「アドバンス:これはなんでしょう?」併載。


序文

この本を手にしてくださった方へ

 患者さんのほとんどが,何らかの画像検査を受けるようになった昨今ですが,画像診断の役割がこれほど重要になっても放射線科医はとても少なく,地方には放射線科医不在の病院がたくさんあります。私の勤務先は434床の基幹病院で,ヘリポートまで備える救急医療の拠点ですが,放射線科の常勤は治療専門医1名と診断専門医の私だけです。
 救急外来では,研修医が海のものとも山のものともつかない疾患の前に放り出され,担当医はreal timeの判断を求められます。救急専任医師が常在する病院はごくわずかで,多くは全科医師による当番制です。当直医は専門分野にかかわらず全身の画像を読むことになりますが,画像診断を学ぶ機会はなかなか得られないのが現状です。
 この本は,そんな状況の中で始まった院内セミナー 『ユキティ熊坂の画像診断プラクティス』が基になっています。救急医療に携わる皆が読めるようになることを目指して平成21年9月に始まり,救急画像診断を1年間で学ぶシリーズとして続けています。これだけ押さえておけば救急室で困らないレベルにもっていく,欲張りなteaching fileで,研修医,各科医師を中心として熱心に参加してくれた結果,実力は確実にアップしました。
 各項目についてもっと詳細に,と感じる部分も多々あると思いますが,まずは全体を見渡して下さい。全体をみたからこそ,つかめるものがあるはずです。また,読影ではどうしてそうみえるかを考えることが大切で,さらに現病歴・身体所見・血液検査などとあわせてみると,なるほど…という部分がたくさんあるはずです。
 少ない人数で日々奮闘している当直医のストレスを軽減するために,役立つ本になって欲しいと願っています。

平成26年2月
岩手県立中部病院 放射線診断科長
熊坂 由紀子
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目次

第I章 避けて通れない簡単な原理
 1 CTの基礎
 2 MRIの基礎
 
第II章 症状から(見逃せない疾患をみつけるコツ)
 1 消化管穿孔〜free airを探せ!
 2 イレウス(腸管閉塞症)〜オペかチューブか?
 3 消化管ア・ラ・カルト
 4 胆石,胆嚢炎
 5 急性膵炎
 6 尿路系救急疾患
 7 婦人科疾患の急性腹症
 8 肺疾患(1) 浸潤影,すりガラス影
 9 肺疾患(2) 結節,網状影
 10 肺水腫
 11 気胸,縦隔気腫,肺血栓塞栓症
 12 脳梗塞
 13 脳梗塞類似疾患
 14 くも膜下出血,頭部外傷
 15 脳脊髄ア・ラ・カルト
 
第III章 外傷とショック(スピードが大切)
 1 高エネルギー外傷
 2 出血性ショック
 3 急性大動脈解離,心タンポナーデ
 
付録
 これは何でしょう?
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