臨床エビデンス婦人科学

臨床エビデンス婦人科学

■編集 佐藤 和雄
藤本 征一郎

定価 14,300円(税込) (本体13,000円+税)
  • B5変型判  704ページ  
  • 2003年3月24日刊行
  • ISBN978-4-7583-0508-2

新しい,そしてよりscientificに基づいた診断・治療をめざして

婦人科にかかわる基礎から臨床までの幅広い分野について,海外の文献など診療の裏づけとなるscientificな面に目を向けながら,高度な診断・治療を目指した,今,一番求められている婦人科医必読の書籍としてまとめあげた。


序文

 近年evidence based medicine(EBM)と言う言葉が人口に膾炙されるようになった。その内容については色々と解釈があるようだが,医療技術評価委員会は,“診ている患者の臨床上の疑問点に関して,医師が関連文献などを検索し,それらを批判的に吟味した上で,患者への妥当性を評価し,さらに患者の価値観や意向を考慮したうえで臨床判断を下し,専門技能を活用して医療を行うこと”としている。しかしこれまでも医師の経験の上に文献的考慮を含めて総合的に,科学的に判断して患者を診て,治療することが現実に行われており,EBMという言葉は目新しく感ぜられるが,これまでの医療の内容を新しく覚醒させた言葉とも言えよう。確かにこれまでは経験則が中心的に診断・治療を司ってきたと言えなくもなく,例えば一例報告の類いがevidenceとして注目されてきたかもしれない。しかし,薬剤効果判定で行われていると同じように各種治療法の効能を推計学的解析を基盤とする比較対照試験をevidenceとして診断・治療の方針に取り入れることがより科学的であるとの考えが注目されるようになっている。
 EBMを考慮した産婦人科教科書は必ずしも多くはないが,すでに『臨床エビデンス産科学』が本書の前巻として上梓され,何らかの評価を受けており,その後数年が経ちここに婦人科篇を完成することができた。本書も産科篇と同様の編集方針で刊行されるもので,各章に執筆者のコメント,参考文献,推薦文献などを入れEMBの出所とそれらの綜合と解説が行われるよう工夫した。

佐藤 和雄
藤本柾一郎
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目次

1.発生・解剖・機能
 1.女性性器の解剖
 2.女性性器の発生と分化
 3.婦人内分泌
  1)ホルモンの分泌作用機序
  2)性周期の調節機構(正常性周期) 
  3)加齢に伴う性機能の変化
2.診断学
 1.症候論
  1)月経異常 
  2)性器出血 
  3)下腹痛,腰痛,腹部膨満 
  4)帯下,外陰掻痒,外陰疼痛 
  5)自律神経症候(不定愁訴) 
  6)排尿障害 
  7)肥満とやせ 
  8)性交痛・不感症 
 2.検査法の基本
  1)内分泌検査法 
  2)細胞診 
  3)組織診(コルポスコピーを含む) 
  4)子宮鏡 
  5)腹腔鏡検査
  6)超音波 
  7)CT,MRI,PET 
  8)腫瘍マーカー 
3.生殖内分泌疾患
 ホルモン療法の基本 
 1.不妊症
  1)不妊症の概念 
  2)不妊症の検査と診断 
  3)排卵障害/中枢性
  4)排卵障害/卵巣性 
  5)卵管・子宮性不妊 
  6)ホルモン療法
  7)生殖補助療法 
 2.内分泌疾患 
  1)中枢性
  2)副腎疾患 
  3)甲状腺疾患
 3.性分化異常 
 4.思春期疾患 
 5.中・高年期疾患
  1)更年期障害 
  2)子宮脱・下垂 
  3)骨粗鬆症 
 6.子宮内膜症 
 7.心身症(神経性食欲不振症を含む) 
 8.避妊 

4.婦人科腫瘍学
 癌発生の分子機構 
 1.子宮頸部 
 2.子宮筋腫 
 3.子宮体癌 
 4.子宮肉腫 
 5.卵巣 
 6.卵管 
 7.外陰腫瘍と腟腫瘍 
 8.絨毛性疾患 
 9.乳房 

5.婦人科感染症

6.婦人科治療学
 婦人科悪性腫瘍の治療の基本
 1.手術療法
  1)子宮の手術
   (1)腹式単純子宮全摘出術 
   (2)腟式単純子宮全摘出術 
   (3)広汎性子宮全摘出術 
   (4)筋腫核出術 
   (5)頸部円錐切除術(LEEPを含む) 
   (6)奇形の形成術 
   (7)性器脱の手術 
  2)付属器の手術
   (1)卵巣摘出術,付属器摘出術,卵巣楔状切除術 
   (2)卵巣嚢腫摘出術(腹腔鏡下手術を中心に) 
   (3)卵管形成術 
   (4)悪性卵巣腫瘍の手術 
  3)外陰,腟の手術
   (1)外陰切除術 
   (2)外陰・腟形成術,造腟術 
  4)腹腔鏡下手術 
 2.術後深部静脈血栓症・肺塞栓症 
 3.悪性腫瘍の化学療法
  1)原理と理論 
  2)外陰癌,腟癌 
  3)子宮頸癌 
  4)子宮体癌 
  5)子宮肉腫 
  6)上皮性卵巣癌 
  7)胚細胞腫瘍 
  8)絨毛性疾患 
  9)その他の婦人科悪性腫瘍(悪性黒色腫,卵管癌) 
 4.放射線治療 
 5.免疫療法 
 6.遺伝子診断 
 7.遺伝子治療
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