DS NOW 2

食道・胃外科標準手術

操作のコツとトラブルシューティング

食道・胃外科標準手術

■担当編集委員 上西 紀夫

定価 11,000円(税込) (本体10,000円+税)
  • A4判  168ページ  オールカラー,イラスト,写真305点
  • 2008年6月27日刊行
  • ISBN978-4-7583-0337-8

食道・胃の手術手技がイラストで理解できる実践的な手術書

若手外科医が修得すべき基本的手術を,エキスパートたちが丁寧に解説した手術書。
食道・胃の手術手技を理解し,応用できるように,イラストを多用し,実践的な手術書として編集。食道では縫合術,再建術,切除再建術。胃では胃・十二指腸の解剖を押さえ,胃空腸吻合術,幽門側胃切除術,幽門保存胃切除術,胃全摘術,胃・十二指腸穿孔に対する縫合閉鎖術と標準手術を解説。

■シリーズ編集委員
上西紀夫/後藤満一/杉山政則/渡邊昌彦


序文

 DS NOWシリーズの第2巻として,食道・胃外科の上部消化管の標準手術を中心に,安全で確実な手術を遂行するための基本的な考え方や手術手技,そして根治のために踏み込んだ手術が必要な場合の合併症を起こさないコツやトラブルシューティングについて,図表をふんだんに盛り込んで理解しやすいよう企画しました。
 このような安全で確実な手術を行うために一番必要なことは想像力です。術前の画像診断や患者の状態を把握し,病状をトータルに理解し,どのような手術が適切であるか,そしてそれをどのように遂行していくのか,どこがキーポイントでどこがデンジャラスポイントなのか,常に頭に入れながら治療することが重要です。このような考えの下に,回数は少なくても密度の濃い手術を経験することが,消化器外科の専門医として大切です
 そこで本書では,まず,食道外科の代表的手術である食道癌に対する3領域手術を取り上げ,標準的な3領域郭清術の基本的な考え方,術式をわかりやすく解説しました。食道癌の手術では,心,肺,気管,大動脈など重要な臓器が隣接しており,より適切な手術と綿密な周術期の管理が重要となります。手術に当たっては,十分な術前のシミュレーションを行い,合併症を引き起こさないコツや重篤なトラブルを未然に防ぐ努力が必要です。
 この食道癌の手術における大きな術後合併症として肺炎と縫合不全があげられ,両者は密接に関連しています。とくに縫合不全は術直後のQOLの低下のみならず,場合によっては長期にわたって影響を及ぼします。そこで,代表的な術式である胃管再建術において,縫合不全を防止するための基本的事項と手術のコツについてわかりやすく解説しました。
 一方,食道穿孔に対する手術の頻度は多くはありませんが,ほとんどの場合で重篤な状態での手術であり,手術の的確さが予後を左右します。また,穿孔に伴う膿胸の管理や全身管理についての知識は,通常の食道癌の術後合併症の管理にも通ずるところがあり,是非,学んでいただきたいと思います。
 胃外科は消化器外科手術の基本で,切除と再建とで構成されます。胃は複雑かつ重要な機能を有しており,手術の良し悪しが胃切除後障害発生に大きな影響を及ぼします。最近の腹腔鏡下手術の普及により,より詳細な,そして新たな視点からの解剖学的知識が蓄積されてきています。そこで,合併症の少ないスムーズな手術に必要な解剖学的知識について解説をしました。また,再建術における縫合,吻合の基本的手術手技についておさらいをしました。
 次に,胃癌に対する定型手術であるD2リンパ節郭清を伴う幽門側胃切除,胃全摘術の基本,そして今や早期胃癌に対する標準術式となっている幽門保存胃切除術のコツと注意点について,理論的根拠を踏まえて詳しく記載されています。
 最後は,消化性潰瘍穿孔に対する手術です。H2ブロッカーやPPIの普及により消化性潰瘍に対する待機的手術はほぼなくなりましたが,消化性潰瘍穿孔はまだまだ一定の頻度で経験されます。穿孔による腹膜炎に対する救命処置が主体ですが,適切な術式選択と術後管理が重要となります。腹腔鏡下手術も含めて,手術のコツについて解説しました。
 以上,本書は食道・胃外科の基本とCure とCareとを目指した手術のコツ,そしてトラブルシューティングについて分かりやすく記載されており,手術に臨むに当たって術者の想像力を豊かにする内容となっています。術前,術後に本書を利用していただくことで,手術成績の向上に役に立つものと確信しています。

2008年6月
上西紀夫
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目次

食道
 食道縫合術—食道破裂・穿孔部の縫合術—  幕内博康
 胃管による食道再建術  森田 勝 ほか
 食道切除再建術 3領域郭清  瀬戸泰之 ほか

 胃・十二指腸の外科解剖  谷口桂三 ほか
 胃切除後の胃・十二指腸,胃・空腸吻合術  上西紀夫 ほか
 幽門側胃切除術  小寺泰弘 ほか
 自律神経温存幽門保存胃切除術 術後QOLの改善をめざした早期胃癌機能温存術式  二宮基樹 ほか
 胃全摘術 D2郭清  阪  眞 ほか
 胃・十二指腸穿孔に対する縫合閉鎖術  勝部隆男 ほか
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