明日は我が身
PCI合併症から脱出する術
定価 9,900円(税込) (本体9,000円+税)
- B5判 400ページ オールカラー,イラスト153点,写真1,417点
- 2019年7月19日刊行
- ISBN978-4-7583-1958-4
電子版
序文
昨今,さまざまなところでPCIの合併症に関するセッションがあり,筆者も名誉な?ことによく演者として呼ばれます。そしてどのセッションも非常に盛況で,満席ということが少なくありません。
PCIを習得していく過程の中で,必ず出くわしてしまうのがさまざまな合併症です。しかしなぜ今,これまでになく合併症のセッションが注目されるのでしょうか?
一つの理由は,合併症の頻度が年々低下していることから,若手の先生からすると「合併症は存在を知っているけれど見たことはない」ということがあるのでしょう。以前はPCIのデバイスが未発達であったことや,術者の力量や技術も未熟であったことから,合併症は今日よりもはるかに多く発生していました。そして,そんな多くの合併症を経験し,なんとか切り抜けてきた先人達から,口を揃えて「上手になりたければ合併症をたくさん経験しなさい」と言われるわけです。
しかし,ただでさえ近年稀な合併症を,たくさん経験するということは到底無理な話です。だから皆さんが挙って,合併症に関するセッションを聴講したり,ハンズオンセッションで体験しようと考えることは当然のことかもしれません。
また,合併症に出くわしたときに自分が実践しているベイルアウト法を,他の術者も同様に行っているのか? という疑問を持っている方も少なくないんじゃないかと思います。いつも苦労しながら切り抜けている合併症を,もし別の人がよりシンプルに切り抜けているとすれば,それを知らないのは残念なことであります。
筆者自身はたくさんとは思っていませんが,長い間PCIに携わってきたためか,知らず知らずのうちにそれなりの合併症を一通り経験してきてしまいました。ですので修羅場を潜り抜けたこともあれば,抜けられなかったこともあり,ちょっとの合併症では動じない術者になりました。
筆者の頭の中には,これまでのさまざまな経験が蓄積され,それが多くのベイルアウト法の引き出しとなっています。近年,合併症の症例検討会などで,間違った方法でベイルアウトしようとして失敗している例を目の当たりにすることがあります。術者は自身の経験から,間違ったことはしていないと信じているのでしょう。しかしその間違った方法は,筆者から言わせると無知と経験のなさから選択されているにすぎず,もっと引き出しをもっていればなんとかなるのにと感じることがあります。
そこで,筆者がこれまで経験してきた合併症の数々を,赤裸々に一冊の本にまとめてみようと思いました。赤裸々というのは,実際にはベイルアウトできなかった例も含めて,包み隠さず正直に記したということになります。
本書に載っている合併症をすべて経験している術者は,おそらくいないのではないでしょうか? 皆さんが経験したことのない合併症でも,筆者の経験を本書で知ることで,なんらかの引き出しが増やせるものと確信しています。そして最終的には,本書により患者さんの合併症が低減するのであれば,果たす意味があると考え刊行を決意しました。
本書の最大の特徴は,一例一例,治療の流れを大きな画像で解説をつけながら,起承転結すべて示すというスタンスで記述している点にあります。すべての画像には,なんらかの一言が記載してあります。紙面ではあっても,動画の症例プレゼンを見ているような感覚で読み進めてもらえるように,画像と記述を選択したつもりです。
そして先に述べた通り,症例によってはPCIによるベイルアウトを断念し,外科的処置にて救命した症例も余すことなく紹介してあります。内科的ベイルアウトを諦めることも,結果的に患者にとっての利益となりうることを,常に頭に置いておかないといけません。早期に撤退することができることも,上手な術者の条件のひとつだと筆者は考えています。
もう一つの本書の特徴は,筆者が単独で書き上げた,単著だということです。巷には沢山のベイルアウト法の本があり,そのほとんどは共著で構成されていますが,本書は筆者が経験した症例(一部,当施設での症例あり)を紹介し,筆者の考えで解説を加えるなど,現実的治療法だけを記載しました。世のいくつかの本には,in vitro の実験でのみ成功した,現実的には不可能なベイルアウト方法が記載されていることがありますが,本書は実際に起こって,実際に治療をした症例だけを記載し,架空のベイルアウト方法は一切記載しておりません。
膨大なデータベースの中から画像を取り出したりと,執筆には苦労しましたが,本書を知ることでPCIの合併症が低減していくことを願いながら書き続けてみました。是非,本書で合併症を疑似体験し,知識を習得していただきたいと思います。「明日は我が身」に遭遇するかもしれない,未知なる合併症に対して,本書で得た引き出しを使ってベイルアウトしていただけたら,筆者にとって望外の喜びであります。
令和元年5月
済生会横浜市東部病院心臓血管センター長
伊藤良明
PCIを習得していく過程の中で,必ず出くわしてしまうのがさまざまな合併症です。しかしなぜ今,これまでになく合併症のセッションが注目されるのでしょうか?
一つの理由は,合併症の頻度が年々低下していることから,若手の先生からすると「合併症は存在を知っているけれど見たことはない」ということがあるのでしょう。以前はPCIのデバイスが未発達であったことや,術者の力量や技術も未熟であったことから,合併症は今日よりもはるかに多く発生していました。そして,そんな多くの合併症を経験し,なんとか切り抜けてきた先人達から,口を揃えて「上手になりたければ合併症をたくさん経験しなさい」と言われるわけです。
しかし,ただでさえ近年稀な合併症を,たくさん経験するということは到底無理な話です。だから皆さんが挙って,合併症に関するセッションを聴講したり,ハンズオンセッションで体験しようと考えることは当然のことかもしれません。
また,合併症に出くわしたときに自分が実践しているベイルアウト法を,他の術者も同様に行っているのか? という疑問を持っている方も少なくないんじゃないかと思います。いつも苦労しながら切り抜けている合併症を,もし別の人がよりシンプルに切り抜けているとすれば,それを知らないのは残念なことであります。
筆者自身はたくさんとは思っていませんが,長い間PCIに携わってきたためか,知らず知らずのうちにそれなりの合併症を一通り経験してきてしまいました。ですので修羅場を潜り抜けたこともあれば,抜けられなかったこともあり,ちょっとの合併症では動じない術者になりました。
筆者の頭の中には,これまでのさまざまな経験が蓄積され,それが多くのベイルアウト法の引き出しとなっています。近年,合併症の症例検討会などで,間違った方法でベイルアウトしようとして失敗している例を目の当たりにすることがあります。術者は自身の経験から,間違ったことはしていないと信じているのでしょう。しかしその間違った方法は,筆者から言わせると無知と経験のなさから選択されているにすぎず,もっと引き出しをもっていればなんとかなるのにと感じることがあります。
そこで,筆者がこれまで経験してきた合併症の数々を,赤裸々に一冊の本にまとめてみようと思いました。赤裸々というのは,実際にはベイルアウトできなかった例も含めて,包み隠さず正直に記したということになります。
本書に載っている合併症をすべて経験している術者は,おそらくいないのではないでしょうか? 皆さんが経験したことのない合併症でも,筆者の経験を本書で知ることで,なんらかの引き出しが増やせるものと確信しています。そして最終的には,本書により患者さんの合併症が低減するのであれば,果たす意味があると考え刊行を決意しました。
本書の最大の特徴は,一例一例,治療の流れを大きな画像で解説をつけながら,起承転結すべて示すというスタンスで記述している点にあります。すべての画像には,なんらかの一言が記載してあります。紙面ではあっても,動画の症例プレゼンを見ているような感覚で読み進めてもらえるように,画像と記述を選択したつもりです。
そして先に述べた通り,症例によってはPCIによるベイルアウトを断念し,外科的処置にて救命した症例も余すことなく紹介してあります。内科的ベイルアウトを諦めることも,結果的に患者にとっての利益となりうることを,常に頭に置いておかないといけません。早期に撤退することができることも,上手な術者の条件のひとつだと筆者は考えています。
もう一つの本書の特徴は,筆者が単独で書き上げた,単著だということです。巷には沢山のベイルアウト法の本があり,そのほとんどは共著で構成されていますが,本書は筆者が経験した症例(一部,当施設での症例あり)を紹介し,筆者の考えで解説を加えるなど,現実的治療法だけを記載しました。世のいくつかの本には,in vitro の実験でのみ成功した,現実的には不可能なベイルアウト方法が記載されていることがありますが,本書は実際に起こって,実際に治療をした症例だけを記載し,架空のベイルアウト方法は一切記載しておりません。
膨大なデータベースの中から画像を取り出したりと,執筆には苦労しましたが,本書を知ることでPCIの合併症が低減していくことを願いながら書き続けてみました。是非,本書で合併症を疑似体験し,知識を習得していただきたいと思います。「明日は我が身」に遭遇するかもしれない,未知なる合併症に対して,本書で得た引き出しを使ってベイルアウトしていただけたら,筆者にとって望外の喜びであります。
令和元年5月
済生会横浜市東部病院心臓血管センター長
伊藤良明
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書評
東京慈恵会医科大学循環器内科
小川崇之
PCI合併症から脱出する鍵がこの本にある
冠動脈インターベンション治療(PCI)に携わる術者は,常にfor the patientの立場で手技成功に全力を注ぎこんでいる。しかし,PCI成功の裏には数多くの合併症が存在するのも事実であり,その克服なしにPCIを語ることはできない。そのためには基本手技はもちろんのこと,数多くの経験や最新の知識・対処法などを常に兼ね備えていなければならず,自施設の経験のみならず,教科書・研究会・学会・ライブデモンストレーション等を活用し日々研鑽を積んでいる。そこにはあくなき探求心と向上心が求められ,到達度に上限はない。そのうえでは,本書も一つのツールとして多くのPCI術者に寄与するものは大きく,数あるbail out本のなかでも大変有意義な一冊と確信する。
特に本書はきわめて珍しく,共著ではなく伊藤良明先生の単著執筆であり,すべてが著者自らの経験症例をもれなく記載していることから,そこには机上の論理だけではなく,事実と結果が記されている。加えて画像がふんだんに使用され,手技の基本からデバイスまで流れるように網羅されており,一つひとつのbail outの方法を読み解くだけでなく,一連の手技を体験しているようである。
これだけの症例発表を聴講するのに一体どれだけの時間を必要とするだろうと考えると,伊藤先生の強い想いを感じるとともに,その労力に敬意を表さずにはいられない。実際,本書に最初に眼を通したときのリスペクトがあったからこそ,この書評を書こうと思ったのである。
技術の成熟と進歩,デバイスの進化等によりPCIの成功率は高く,合併症の発生率が低いなかで,その多くを経験することは難しい現状でもあり,改めてそのA to Zを学ぶのに推薦したい1冊といえる。これまで多くのbail out本があったが,この本はまさにbail outの真実,筆者の熱いPCI魂の軌跡が記されている。
(循環器ジャーナル Vol.68, No.1, 2020.より引用)
小川崇之
PCI合併症から脱出する鍵がこの本にある
冠動脈インターベンション治療(PCI)に携わる術者は,常にfor the patientの立場で手技成功に全力を注ぎこんでいる。しかし,PCI成功の裏には数多くの合併症が存在するのも事実であり,その克服なしにPCIを語ることはできない。そのためには基本手技はもちろんのこと,数多くの経験や最新の知識・対処法などを常に兼ね備えていなければならず,自施設の経験のみならず,教科書・研究会・学会・ライブデモンストレーション等を活用し日々研鑽を積んでいる。そこにはあくなき探求心と向上心が求められ,到達度に上限はない。そのうえでは,本書も一つのツールとして多くのPCI術者に寄与するものは大きく,数あるbail out本のなかでも大変有意義な一冊と確信する。
特に本書はきわめて珍しく,共著ではなく伊藤良明先生の単著執筆であり,すべてが著者自らの経験症例をもれなく記載していることから,そこには机上の論理だけではなく,事実と結果が記されている。加えて画像がふんだんに使用され,手技の基本からデバイスまで流れるように網羅されており,一つひとつのbail outの方法を読み解くだけでなく,一連の手技を体験しているようである。
これだけの症例発表を聴講するのに一体どれだけの時間を必要とするだろうと考えると,伊藤先生の強い想いを感じるとともに,その労力に敬意を表さずにはいられない。実際,本書に最初に眼を通したときのリスペクトがあったからこそ,この書評を書こうと思ったのである。
技術の成熟と進歩,デバイスの進化等によりPCIの成功率は高く,合併症の発生率が低いなかで,その多くを経験することは難しい現状でもあり,改めてそのA to Zを学ぶのに推薦したい1冊といえる。これまで多くのbail out本があったが,この本はまさにbail outの真実,筆者の熱いPCI魂の軌跡が記されている。
(循環器ジャーナル Vol.68, No.1, 2020.より引用)
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目次
1.穿刺,止血
■ 鼠径穿刺部出血と骨盤内および後腹膜出血
[なぜ生じる?] High puncture/セルジンガー法とキンク/その他
[どうする?] 用手圧迫をする/エコーや造影を行う/後腹膜出血だったら
症例1 バルーンで止血
症例2 カバードステントで止血
症例3 後腹膜出血 経過観察例
症例4 後腹膜出血 手術例
■ 穿刺部仮性瘤形成
[なぜ生じる?]
[どうする?] エコーやバルーンを用いる/トロンビンを用いる
症例5 バルーンで止血
症例6 エコープローベで止血
症例7 トロンビンで止血
■ 橈骨動脈損傷
[なぜ生じる?] 操作の問題/血管の問題
[どうする?] 自然出血/用手圧迫とバルーン拡張/止血後は?/遅発性の出血なら?/麻痺があれば?
症例8 自然に止血
症例9 ロングインフレーションにて止血
症例10 脂肪塞栓で止血
症例11 オーバーザワイヤーバルーンで止血
症例12 減張切開例
2. ガイディングカテーテル
■ 大動脈が解離してしまった
[なぜ生じる?]
[どうする?] 造影をしない/IVUSを用いる/ガイドカテを変更する/裏技は?/降圧し,CTを施行
[どこまで頑張るべき?]
症例13 ステントを留置
症例14 IVUSを活用
症例15 経過観察できた例
症例16 オペ症例
■ 冠動脈解離(穿孔)
[なぜ生じる?] Deep engage/デバイス抜去時/CTO治療時/その他
[どうする?] 造影をしない/ステントを挿入する/IVUSを用いる/血腫が大きかったら
症例17 ALがいけない
症例18 診断カテでも
症例19 左主幹部が解離
症例20 Deep engageが原因
症例21 造影剤で解離
症例22 石灰化病変には注意
■ キンクして抜去困難
[なぜ生じる?] 血管の問題/カテーテルの問題
[どうする?] 透視を見てローテーション/抜去後は
症例23 橈骨動脈でキンク
症例24 上腕動脈でキンク
■ 操作中の落とし穴は沢山
[どんなことがある?] 基本的操作/ダンピング/血圧低下/空気塞栓/血栓形成/コレステロール塞栓症
症例25 左主幹部で塞栓
症例26 空気塞栓を吸引
症例27 Blue toe例
症例28 こんなデブリスが出てくる
3. ガイドワイヤー
■ ガイドワイヤーがスタックや断裂する状況とは?
[なぜ生じる?] CTO病変/分岐部病変/ステント同士/びまん性病変
[どうする?] マイクロカテーテルを用いる/断裂したら
症例29 マイクロカテーテルを利用
症例30 EN Snare®で抜去
症例31 Goose Neck™ Snareで抜去
症例32 ワイヤーが完全抜去できず,外科的治療
症例33 トラップ,断裂したワイヤーをステントでカバー
■ ステント側枝のワイヤーが偽腔に迷入
[なぜ生じる?] リクロスの部位/ガイドワイヤーの種類
[どうする?] 迷入ポイントを推測する/ 2ndワイヤーを用いる/IVUSガイド?
症例34 虚血の兆候はなく,ベイルアウトせず終了
症例35 テーパーワイヤー使用
症例36 リバースワイヤーが有効
4. IVUS
■ IVUSスタック
[なぜ生じる?] Exit portでスタックする/スタックしやすい状況/ワイヤーとのセパレートも危険
[どうする?] 引っ張らない/遠位部へ押す/バルーンを用いる/その他
[最後の一手は何か? どこで諦めるか?]
手技1 IVUSを押してローテーション
症例37 IVUSをローテーションし抜去
手技2 スタック部位をバルーニング
症例38 バルーニングし抜去(1)
症例39 バルーニングし抜去(2)
症例40 バルーニングし抜去(3)
手技3 トランスデューサーを抜去(1)
手技4 トランスデューサーを抜去(2)
症例41 トランスデューサーを抜去
手技5 元のワイヤーにバルーン通過
症例42 バルーンで押して抜去(1)
症例43 バルーンで押して抜去(2)
手技6 子カテを用いる
手技7 ワイヤーを引いてみる
5. バルーン
■ デフレートできない
[なぜ生じる?] 稀だが危険/シャフトに異常
[どうする?] できることは何か?/切断してみる/子カテを用いる/手術?/Cutting balloon ?/ガイドワイヤーを用いる?/過拡張?/レーザー,ロータブレーター?/その他
症例44 デフレートできなかった左前下行枝症例
手技8 Heartrail® ST01でベイルアウト
症例45 5Fr ST01でベイルアウト
■ Ruptureしてしまった
[なぜ生じる?] 冠動脈損傷は生じる?/原因は?/稀な症例
[どうする?] デフレートし,造影する/穿孔を生じたら/石灰化病変だったら
症例46 Ruptureして末梢が解離
症例47 Ruptureして冠動脈穿孔
症例48 Ruptureしてステントにスタック
6. ステント
■ 脱落と回収
[なぜ生じる?] 以前のステント/原因は/子カテが危ない/脱落予防をする
[どうする?] 冠動脈外に回収/バルーンを用いる/留置してしまう/体外へ回収/上肢から回収/下肢から回収
症例49 EN Snare®と異物除去鉗子を使用
症例50 EN Snare®を使用
症例51 上腕動脈を順行性に穿刺
手技9 上腕動脈を順行性に穿刺
症例52 シースインシース
手技10 4 in 6Fr シースの実験
症例53 その場に留置
症例54 ガイディングカテーテル内でバルーントラップ
■ ステントの外をバルーン拡張してしまった
[なぜ生じる?] 分岐部に注意/バルーンの性能向上
[どうする?] 再拡張をする/IVUSを用いる/ダブルルーメンカテーテルを用いる
[発症予防のポイントは?]
症例55 左主幹部のバルーニングでcrush
症例56 左主幹部のステントをガイドカテで変形
■ ステントの遠位端が偽腔や側枝に留置
[なぜ生じる?] CTOに多い/側枝に迷入
[どうする?] Antegrade wiringは無理/IVUSを用いる/Antegrade dissection reentry device を行う/Retrograde approachを行う/ステントの遠位端が側枝に留置
症例57 ステント遠位が偽腔に留置(1)
症例58 ステント遠位が偽腔に留置(2)
症例59 ステント遠位が側枝に留置
7. ロータブレーター
■ Rota burr がスタックしてしまった
[なぜ生じる?] 構造に起因/病変に起因
[どうする?] Rota burrを引っ張る/Cokkateを用いる/ガイドエクステンションカテーテルを用いる
症例60 屈曲でスタック,引っ張って抜去
症例61 近位側をバルーン拡張
症例62 子カテを用いた
症例63 ステントが抜去
症例64 ステントでスタック,手術施行
症例65 いかなるベイルアウト法も無効
■ 穿孔はどんなところで生じうるのか
[なぜ生じる?] 屈曲部/大弯側/ワイヤーバイアス
[どうする?] 通常のバルーンで止血/オーバーザワイヤーバルーンで止血/外科手術の考慮
症例66 Oozing perforation
症例67 分岐部で穿孔
症例68 屈曲部で穿孔
症例69 オーバーザワイヤーバルーンで止血
■ なぜRG3ワイヤーを使ってはいけない?
[なぜいけない?] 操作性の低いRota Wire™/Tornusを用いてRota Wire™挿入/RG3ワイヤーが有効?/RG3ワイヤーは断裂する
[どうする?]
症例70 RG3ワイヤーが有用
症例71 RG3ワイヤーは危険
■ 特殊な冠動脈穿孔
[なぜ生じる?] Rota clip は重要?/Rota clip が外れると……/同軸に挟む/穿孔を生じる
症例72 Rota clip が外れて冠動脈穿孔
8. DCA
■ DCAとガイドワイヤーがスタックしてしまった
[なぜ生じる?] ATHEROCUTの特徴/支持体が問題/ガイドワイヤーがスタック/ガイドワイヤーが回転/石灰化病変には注意
症例73 石灰化プラークへのDCAでワイヤー穿孔
■ DCAがステントにスタックしてしまった
[なぜ生じる?] DCAの適応/DCAのウインドウに引っかかる/ステント留置早期の,近傍へのDCAは危険
[どうする?]
症例74 DCAウインドウにステントがスタック
9. Slow flow/No reflow
■ Slow flow/No reflow
[なぜ生じる?] Slow flow/No reflow とは/PCIに起因するno reflow/ハイリスク症例
[どうする?] Direct stent/末梢保護デバイス/No reflow への対応
症例75 ロータブレーターでno reflow
症例76 不安定プラークの治療でショックへ
症例77 末梢保護デバイス使用
10. 冠動脈解離,冠動脈血腫
■ 冠動脈解離,冠動脈血腫
[なぜ生じる?] 解離は合併症?/分類/手技要因/プラーク要因
[どうする?] 造影をせず,IVUSを用いる/ステント留置/リエントリー作成/ステント挿入後の解離には
症例78 バルーンでらせん状解離
症例79 右冠動脈末梢まで解離が進展
症例80 Cutting balloonが有用
症例81 ステント近位側の血腫が進展
11. 冠動脈穿孔
■ Wire perforation
[なぜ生じる?] ガイドワイヤー穿孔/末梢穿孔は気付きにくい/ガイドワイヤーの種類に注意
[どうする?] 心タンポナーデに至りうるか?/止血しつつ出血部を探す
[塞栓子は何にする?] 塞栓子になりうるもの?/脂肪塞栓のポイント/コイル塞栓のポイント
症例82 ワイヤー穿孔をベイルアウトできなかった例
手技11 脂肪塞栓の手順
症例83 通常の脂肪塞栓施行
症例84 Caravelで脂肪塞栓
症例85 直ちに脂肪塞栓を施行
症例86 バルーン止血を行いつつ脂肪塞栓
症例87 Gelfoam®で塞栓
症例88 中隔枝を双方から脂肪塞栓
症例89 3カ所の血管を塞栓
症例90 中隔枝をコイルで塞栓
手技12 マイクロカテ生食注入量のテスト
手技13 脂肪塞栓の方法(筆者流)
手技14 各種コイルの紹介と使用法
Blow out perforation
[なぜ生じる?] デバイスオーバーサイズ/デバルキングデバイス/屈曲とワイヤーデバイス
[どうする?] ベイルアウトの概要
[Perfusion balloonの使用のポイント] スペックを知っておく/デリバリー性能は悪い
/拡張圧/ヘパリンの調整
[GRAFTMASTER®ステント留置のポイント] 子カテを使用/留置の部位/拡張圧/留置部位
と拡張不十分の判断/鑑別するには
手技15 Blowout perforation 後のperfusion balloon の持ち込み方
症例91 Perfusion balloonのみで止血(1)
症例92 Perfusion balloonのみで止血(2)
症例93 GRAFTMASTER®で止血
症例94 Blowout perforation を早期に収束できなかった例
症例95 心タンポナーデにならないようにベイルアウトした例
12. HIT
■ ヘパリン起因性血小板減少症
[なぜ生じる?]
[どうする?] HITを疑う/ヘパリンを中止/アルガトロバン開始/PCIでベイルアウトする/治療を諦めない/治療後は?
症例96 超重症HIT症例
13. その他の合併症や症例
■ コイル脱落の回収不能例
症例97 コイルが脱落してしまった痛恨の1例
■ 自然冠動脈解離
症例98 保存的に経過をみて軽快した1例
■ 大動脈解離に冠動脈解離を併発した急性心筋梗塞例
症例99 ステント留置後にオペ(1)
症例100 ステント留置後にオペ(2)
14. ベイルアウト等で使用されるデバイス
■ ベイルアウト等で使用されるデバイス
■ 鼠径穿刺部出血と骨盤内および後腹膜出血
[なぜ生じる?] High puncture/セルジンガー法とキンク/その他
[どうする?] 用手圧迫をする/エコーや造影を行う/後腹膜出血だったら
症例1 バルーンで止血
症例2 カバードステントで止血
症例3 後腹膜出血 経過観察例
症例4 後腹膜出血 手術例
■ 穿刺部仮性瘤形成
[なぜ生じる?]
[どうする?] エコーやバルーンを用いる/トロンビンを用いる
症例5 バルーンで止血
症例6 エコープローベで止血
症例7 トロンビンで止血
■ 橈骨動脈損傷
[なぜ生じる?] 操作の問題/血管の問題
[どうする?] 自然出血/用手圧迫とバルーン拡張/止血後は?/遅発性の出血なら?/麻痺があれば?
症例8 自然に止血
症例9 ロングインフレーションにて止血
症例10 脂肪塞栓で止血
症例11 オーバーザワイヤーバルーンで止血
症例12 減張切開例
2. ガイディングカテーテル
■ 大動脈が解離してしまった
[なぜ生じる?]
[どうする?] 造影をしない/IVUSを用いる/ガイドカテを変更する/裏技は?/降圧し,CTを施行
[どこまで頑張るべき?]
症例13 ステントを留置
症例14 IVUSを活用
症例15 経過観察できた例
症例16 オペ症例
■ 冠動脈解離(穿孔)
[なぜ生じる?] Deep engage/デバイス抜去時/CTO治療時/その他
[どうする?] 造影をしない/ステントを挿入する/IVUSを用いる/血腫が大きかったら
症例17 ALがいけない
症例18 診断カテでも
症例19 左主幹部が解離
症例20 Deep engageが原因
症例21 造影剤で解離
症例22 石灰化病変には注意
■ キンクして抜去困難
[なぜ生じる?] 血管の問題/カテーテルの問題
[どうする?] 透視を見てローテーション/抜去後は
症例23 橈骨動脈でキンク
症例24 上腕動脈でキンク
■ 操作中の落とし穴は沢山
[どんなことがある?] 基本的操作/ダンピング/血圧低下/空気塞栓/血栓形成/コレステロール塞栓症
症例25 左主幹部で塞栓
症例26 空気塞栓を吸引
症例27 Blue toe例
症例28 こんなデブリスが出てくる
3. ガイドワイヤー
■ ガイドワイヤーがスタックや断裂する状況とは?
[なぜ生じる?] CTO病変/分岐部病変/ステント同士/びまん性病変
[どうする?] マイクロカテーテルを用いる/断裂したら
症例29 マイクロカテーテルを利用
症例30 EN Snare®で抜去
症例31 Goose Neck™ Snareで抜去
症例32 ワイヤーが完全抜去できず,外科的治療
症例33 トラップ,断裂したワイヤーをステントでカバー
■ ステント側枝のワイヤーが偽腔に迷入
[なぜ生じる?] リクロスの部位/ガイドワイヤーの種類
[どうする?] 迷入ポイントを推測する/ 2ndワイヤーを用いる/IVUSガイド?
症例34 虚血の兆候はなく,ベイルアウトせず終了
症例35 テーパーワイヤー使用
症例36 リバースワイヤーが有効
4. IVUS
■ IVUSスタック
[なぜ生じる?] Exit portでスタックする/スタックしやすい状況/ワイヤーとのセパレートも危険
[どうする?] 引っ張らない/遠位部へ押す/バルーンを用いる/その他
[最後の一手は何か? どこで諦めるか?]
手技1 IVUSを押してローテーション
症例37 IVUSをローテーションし抜去
手技2 スタック部位をバルーニング
症例38 バルーニングし抜去(1)
症例39 バルーニングし抜去(2)
症例40 バルーニングし抜去(3)
手技3 トランスデューサーを抜去(1)
手技4 トランスデューサーを抜去(2)
症例41 トランスデューサーを抜去
手技5 元のワイヤーにバルーン通過
症例42 バルーンで押して抜去(1)
症例43 バルーンで押して抜去(2)
手技6 子カテを用いる
手技7 ワイヤーを引いてみる
5. バルーン
■ デフレートできない
[なぜ生じる?] 稀だが危険/シャフトに異常
[どうする?] できることは何か?/切断してみる/子カテを用いる/手術?/Cutting balloon ?/ガイドワイヤーを用いる?/過拡張?/レーザー,ロータブレーター?/その他
症例44 デフレートできなかった左前下行枝症例
手技8 Heartrail® ST01でベイルアウト
症例45 5Fr ST01でベイルアウト
■ Ruptureしてしまった
[なぜ生じる?] 冠動脈損傷は生じる?/原因は?/稀な症例
[どうする?] デフレートし,造影する/穿孔を生じたら/石灰化病変だったら
症例46 Ruptureして末梢が解離
症例47 Ruptureして冠動脈穿孔
症例48 Ruptureしてステントにスタック
6. ステント
■ 脱落と回収
[なぜ生じる?] 以前のステント/原因は/子カテが危ない/脱落予防をする
[どうする?] 冠動脈外に回収/バルーンを用いる/留置してしまう/体外へ回収/上肢から回収/下肢から回収
症例49 EN Snare®と異物除去鉗子を使用
症例50 EN Snare®を使用
症例51 上腕動脈を順行性に穿刺
手技9 上腕動脈を順行性に穿刺
症例52 シースインシース
手技10 4 in 6Fr シースの実験
症例53 その場に留置
症例54 ガイディングカテーテル内でバルーントラップ
■ ステントの外をバルーン拡張してしまった
[なぜ生じる?] 分岐部に注意/バルーンの性能向上
[どうする?] 再拡張をする/IVUSを用いる/ダブルルーメンカテーテルを用いる
[発症予防のポイントは?]
症例55 左主幹部のバルーニングでcrush
症例56 左主幹部のステントをガイドカテで変形
■ ステントの遠位端が偽腔や側枝に留置
[なぜ生じる?] CTOに多い/側枝に迷入
[どうする?] Antegrade wiringは無理/IVUSを用いる/Antegrade dissection reentry device を行う/Retrograde approachを行う/ステントの遠位端が側枝に留置
症例57 ステント遠位が偽腔に留置(1)
症例58 ステント遠位が偽腔に留置(2)
症例59 ステント遠位が側枝に留置
7. ロータブレーター
■ Rota burr がスタックしてしまった
[なぜ生じる?] 構造に起因/病変に起因
[どうする?] Rota burrを引っ張る/Cokkateを用いる/ガイドエクステンションカテーテルを用いる
症例60 屈曲でスタック,引っ張って抜去
症例61 近位側をバルーン拡張
症例62 子カテを用いた
症例63 ステントが抜去
症例64 ステントでスタック,手術施行
症例65 いかなるベイルアウト法も無効
■ 穿孔はどんなところで生じうるのか
[なぜ生じる?] 屈曲部/大弯側/ワイヤーバイアス
[どうする?] 通常のバルーンで止血/オーバーザワイヤーバルーンで止血/外科手術の考慮
症例66 Oozing perforation
症例67 分岐部で穿孔
症例68 屈曲部で穿孔
症例69 オーバーザワイヤーバルーンで止血
■ なぜRG3ワイヤーを使ってはいけない?
[なぜいけない?] 操作性の低いRota Wire™/Tornusを用いてRota Wire™挿入/RG3ワイヤーが有効?/RG3ワイヤーは断裂する
[どうする?]
症例70 RG3ワイヤーが有用
症例71 RG3ワイヤーは危険
■ 特殊な冠動脈穿孔
[なぜ生じる?] Rota clip は重要?/Rota clip が外れると……/同軸に挟む/穿孔を生じる
症例72 Rota clip が外れて冠動脈穿孔
8. DCA
■ DCAとガイドワイヤーがスタックしてしまった
[なぜ生じる?] ATHEROCUTの特徴/支持体が問題/ガイドワイヤーがスタック/ガイドワイヤーが回転/石灰化病変には注意
症例73 石灰化プラークへのDCAでワイヤー穿孔
■ DCAがステントにスタックしてしまった
[なぜ生じる?] DCAの適応/DCAのウインドウに引っかかる/ステント留置早期の,近傍へのDCAは危険
[どうする?]
症例74 DCAウインドウにステントがスタック
9. Slow flow/No reflow
■ Slow flow/No reflow
[なぜ生じる?] Slow flow/No reflow とは/PCIに起因するno reflow/ハイリスク症例
[どうする?] Direct stent/末梢保護デバイス/No reflow への対応
症例75 ロータブレーターでno reflow
症例76 不安定プラークの治療でショックへ
症例77 末梢保護デバイス使用
10. 冠動脈解離,冠動脈血腫
■ 冠動脈解離,冠動脈血腫
[なぜ生じる?] 解離は合併症?/分類/手技要因/プラーク要因
[どうする?] 造影をせず,IVUSを用いる/ステント留置/リエントリー作成/ステント挿入後の解離には
症例78 バルーンでらせん状解離
症例79 右冠動脈末梢まで解離が進展
症例80 Cutting balloonが有用
症例81 ステント近位側の血腫が進展
11. 冠動脈穿孔
■ Wire perforation
[なぜ生じる?] ガイドワイヤー穿孔/末梢穿孔は気付きにくい/ガイドワイヤーの種類に注意
[どうする?] 心タンポナーデに至りうるか?/止血しつつ出血部を探す
[塞栓子は何にする?] 塞栓子になりうるもの?/脂肪塞栓のポイント/コイル塞栓のポイント
症例82 ワイヤー穿孔をベイルアウトできなかった例
手技11 脂肪塞栓の手順
症例83 通常の脂肪塞栓施行
症例84 Caravelで脂肪塞栓
症例85 直ちに脂肪塞栓を施行
症例86 バルーン止血を行いつつ脂肪塞栓
症例87 Gelfoam®で塞栓
症例88 中隔枝を双方から脂肪塞栓
症例89 3カ所の血管を塞栓
症例90 中隔枝をコイルで塞栓
手技12 マイクロカテ生食注入量のテスト
手技13 脂肪塞栓の方法(筆者流)
手技14 各種コイルの紹介と使用法
Blow out perforation
[なぜ生じる?] デバイスオーバーサイズ/デバルキングデバイス/屈曲とワイヤーデバイス
[どうする?] ベイルアウトの概要
[Perfusion balloonの使用のポイント] スペックを知っておく/デリバリー性能は悪い
/拡張圧/ヘパリンの調整
[GRAFTMASTER®ステント留置のポイント] 子カテを使用/留置の部位/拡張圧/留置部位
と拡張不十分の判断/鑑別するには
手技15 Blowout perforation 後のperfusion balloon の持ち込み方
症例91 Perfusion balloonのみで止血(1)
症例92 Perfusion balloonのみで止血(2)
症例93 GRAFTMASTER®で止血
症例94 Blowout perforation を早期に収束できなかった例
症例95 心タンポナーデにならないようにベイルアウトした例
12. HIT
■ ヘパリン起因性血小板減少症
[なぜ生じる?]
[どうする?] HITを疑う/ヘパリンを中止/アルガトロバン開始/PCIでベイルアウトする/治療を諦めない/治療後は?
症例96 超重症HIT症例
13. その他の合併症や症例
■ コイル脱落の回収不能例
症例97 コイルが脱落してしまった痛恨の1例
■ 自然冠動脈解離
症例98 保存的に経過をみて軽快した1例
■ 大動脈解離に冠動脈解離を併発した急性心筋梗塞例
症例99 ステント留置後にオペ(1)
症例100 ステント留置後にオペ(2)
14. ベイルアウト等で使用されるデバイス
■ ベイルアウト等で使用されるデバイス
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PCI術中に何が起こりうるのか,どう対処すべきか? 「もしも」に備える一冊
PCI(経皮的冠動脈インターベンション)は,冠動脈疾患治療の中心的な役割を担っている。比較的低侵襲かつ安全で効果的な治療法として手技やデバイスの発達とともに急速に発展し,今や成熟期に達しているといえるが,侵襲的治療であることに変わりはなく,常に合併症と隣り合わせであることは忘れてはならない。
合併症の種類は多岐にわたり,一つひとつの発生頻度はそこまで高くはないが,誰しも経験する可能性がある。また,ひとたび発生すると突如として死亡率が高くなるものもあり,術者は常にその危険を念頭に置いておく必要がある。
そのためには,合併症に関する情報をできるだけ収集し,万が一直面してしまったときに切り抜けるための知識・方法をより多くの引き出しとして持っておくことが必要不可欠であるが,前述の通り,合併症発生の頻度はそこまで高くなく,種類も豊富なため,術者個人がそれぞれ経験して回避法を会得していくには限界がある。
本書では,国内でも有数のPCIエキスパートがこれまでに経験した,豊富で貴重な合併症例を紹介し,実際に切り抜けた方法や究極的な技について解説。稀な症例・内科的ベイルアウトを断念した症例まで,包み隠さず赤裸々に,合計千数百枚の画像を用いて徹底解説した。
PCI術者が自身の“疑似”体験として引き出しにストックし,万が一の場面でも冷静に対処できるようになるための1冊である。