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PT臨床実習チェックリスト

PT臨床実習チェックリスト

■編集 青木 主税
飯田 修平

定価 3,520円(税込) (本体3,200円+税)
  • B5判  252ページ  2色,イラスト50点,写真30点
  • 2018年3月3日刊行
  • ISBN978-4-7583-1924-9

レポート見本,チェックリストで臨床実習を効率良く乗り切ろう!

厳しいスーパーバイザー,寝る間を惜しんで書くレポートなど,理学療法士の臨床実習では多くの困難が待っている。本書では,そんな学生の方々不安を解消するため,「これさえ守れば実習は乗り切れる!」という項目を列挙したチェックリスト,レポートの見本,メンタルケアの仕方,社会人としてのマナーなどを掲載。
チェックリストは,日本理学療法士協会が公開している学生評価表をもとに作成しているため,要点を効率良く押さえている。ほかにも,MMTやROM測定などの代表的な評価をまとめて掲載。
臨床実習を効率良く乗り切るための,学生の味方となる書籍である。


序文

編集の序

 1965年に「理学療法士及び作業療法士法」が施行されてから2017年で52年が経過し,この間に,理学療法士養成校は257校,理学療法士の養成定員数は2017年9月時点で14,006名と,1999年に比べ3.8倍になった。理学療法士国家試験合格者はのべ151,591名と有資格者数も大幅に増加している。厚生労働省は75歳以上の後期高齢者が2025年には2,180万人に達すると予測し,リハビリ現場には,より専門的な知識と技術を持つ人材が必要と判断している。このような状況を踏まえて,厚生労働省は,1999年以来の養成校のカリキュラムの見直し(指定規則改変)に着手し,2019年4月からの適用を考えている。主な見直し案は,(1)大学や専門学校での現場実習の指導者の要件強化について,業務経験を現在の3年以上を5年以上に延ばすほか,新たに指導者講習会を受講し,終了することを義務付ける。また,(2)実習単位数を現在の18単位から20単位に増やすとともに,教育カリキュラムでは,救命救急や薬の作用を詳しく学ぶようにし,単位数を現在の93単位から101単位に増やす,などである。今回の見直し案では,実習の方法については,特に指摘されていないが,実習指導者の資格要件レベルを上げ,指導者の質的向上を図るとともに,高齢化社会に対応した質の高い人材を養成することの必要性が示されている。
 質の高い人材を養成する課程で必要不可欠なのが臨床実習である。学内での講義・実習・演習は問題なく学修できたのに,病院での臨床実習では「緊張してしまい,実習指導者とのコミュニケーションがうまくできない」「どのように動いてよいのかわからない」「どのように質問したらよいかわからない」などパニックになってしまい,実習中断となるケースも散見される。これは,学内と病院・施設との環境の違い,初めての1人暮らし,評価されるプレッシャーなどのストレスが関与するところも大きい。
 本書は,学生の視点に立ち,のびのびと,充実した臨床実習が過ごせるように工夫している。実習での注意事項,疾患の基礎知識と症例レポートの書き方などを本書を活用しながら自ら学び,獲得してほしい。もし,実習に悩んでしまったときは,実習ストレスのケアに関する章を読むとよい。付録として,症例レポートを書くのに必要な,代表的な評価集を掲載した。 この本が,多くの学生が臨床実習のチェックリストとして使用して,充実した臨床実習が達成されれば幸甚である。また,臨床実習指導者にも読んでいただければ,学生への理解や実習指導に役立つヒントがあると思う。

2018年1月
青木主税
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目次

第 0 章 イントロダクション
  臨床実習学生評価表について  飯田修平
  臨床実習で大切なこと
  臨床実習学生評価表

第 1 章 理学療法士の実習
① はじめに  青木主税
  臨床実習の現状
  臨床実習とは
  臨床実習の課題
  まとめ
② 見学実習  田代千惠美
  はじめに
  チェックリスト
  理学療法見学実習とは
  見学実習の準備
  見学実習の開始
  実習を終えて
  おわりに
③ 評価実習・検査測定実習   窪川 徹
  すべての実習に共通すること
  検査測定実習(1〜2週間)
  評価実習(3〜4週間)
  さいごに
④ 地域理学療法の実習(見学実習)  阪井康友
  はじめに
  地域理学療法の実習の目的
  実習生の到達目標
  実習およびセミナー
  実習施設
  訪問時の移動方法
  臨床実習の形式
  利用者などの情報について
  実習前の準備
  体調管理
  臨床実習時の心構え
  実習中の対応
  実習終了後の対応
⑤ OSCE  阪井康友
  はじめに
  OSCEの目的
  学生の到達目標
  OSCEの概要
  試験課題
⑥ 臨床実習  窪川 徹
  はじめに
  臨床実習は集大成
  注意点
  レジュメ作成
  記録物
  訪問リハビリテーション
  認知症や小児の対応
  クリニカルクラークシップ
  就職活動
  礼状
  さいごに
  column ❶ 学生評価の実際  大久保敦子

第 2 章 実習での注意事項
 ① 実習前に確認! 最低限のマナー  知脇 希
  社会で求められている力
  実習に臨む姿勢とマナー
  情報収集と丁寧な書類作成
  実習前に準備するもの
  実習前の電話の掛け方
  欠席・遅刻の連絡
  実習訪問担当教員との話し合い
  column ❷ OB・OGの意見 大久保敦子
② コミュニケーションの取り方(報告・連絡・相談)  泉 美帆子
  臨床実習とコミュニケーション
  チェックリスト
  医療人・社会人としてのコミュニケーション
  実習指導者とのコミュニケーション
  情報収集とコミュニケーション
  column ❸ スーパーバイザーのタイプ  大久保敦子
③ デイリーノートの書き方  宮﨑 学
  デイリーノートの概要
  チェックリスト
  デイリーノートの目的
  デイリーノートに必要な準備物
  デイリーノートで何を書くか
  デイリーノートの記載例
④ リスク管理と危険予知トレーニング  芳野 純
  リスク管理の重要性
  チェックリスト
  リハビリ中の事故を防ぐ
  患者さんの病態の急変を防ぐ・急変時に適切な対応をする
  感染予防
  column ❹ OB・OGより「私はこうして実習を乗り越えた」   大久保敦子
⑤ 実習ストレスのケア(実習に悩んでしまったときは)  奈良元壽
  はじめに
  チェックリスト
  ストレスの理論を理解しよう
  ストレス反応とは
  ストレスの原因を意識する
  してはいけないストレスへの対処行動
  リラクセーションをしてみよう
  非常に辛いときのメンタルケア

第3章 疾患の基礎知識とレポートの書き方
⓪ レポート・レジュメの書き方  飯田修平
  レポート・レジュメの目的
  書類作成時の注意点
  臨床実習指導者への相談と提出
  レポートの構成
  レジュメの作成方法
  症例発表会
① 脳卒中 左片麻痺(急性期,初回評価),右片麻痺(回復期,初回評価)  飯田修平
  臨床実習における脳血管障害の理学療法の概要
  チェックリスト
  疾患の基礎知識
  症例報告書(急性期)
  症例報告書(回復期)
② 大腿骨頸部骨折(人工骨頭置換術)   日野邦彦
  臨床実習における大腿骨頸部骨折に対する人工骨頭置換術の理学療法の概要
  チェックリスト
  疾患の基礎知識
  症例報告書
③ 人工膝関節置換術(手術後)   丸山陽介
  臨床実習における人工膝関節置換術術後の理学療法の概要
  チェックリスト
  変形性膝関節症の基礎知識
  人工膝関節の基礎知識
  症例報告書
④ 脛骨近位端骨折(部分荷重)  五日市克利
  臨床実習における脛骨近位端骨折(部分荷重)の理学療法の概要
  チェックリスト
  疾患の基礎知識
  症例報告書
⑤ 変形性膝関節症(外来)   鳥山 実
  外来における変形性膝関節症に対する理学療法の概要
  チェックリスト
  疾患の基礎知識
  症例報告書
⑥ 前十字靱帯損傷(外来)   吉本真純
  臨床実習における前十字靱帯(ACL)損傷(外来)の理学療法の概要
  チェックリスト
  疾患の基礎知識
  症例報告書
⑦ 下腿切断  梅澤慎吾
  臨床実習における下腿切断の理学療法の概要
  チェックリスト
  下腿切断と義足の基礎知識
  症例報告書
⑧ パーキンソン病  中城雄一
  はじめに
  チェックリスト
  疾患の基礎知識
  チェックリストのおさらい
  症例報告書
⑨ 慢性閉塞性肺疾患(COPD)   景山 剛
  実習におけるCOPDの理学療法の概要
  チェックリスト
  疾患の基礎知識
  症例報告書
⑩ 住環境評価について  徳田良英
  住環境評価の必要性について
  住環境評価で必要となる主な項目
  住環境評価のポイント
  レポートの構成からみた住環境評価の位置付け
  住まいの状況に関するレポートの記載
  平面図を使い,住まいでの生活をイメージする
  
付録 代表的な評価集  青木主税・飯田修平
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