脳動脈瘤に対する血管内治療
知行合一
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定価 11,000円(税込) (本体10,000円+税)
- B5判 332ページ オールカラー,イラスト50点,写真200点
- 2017年12月1日刊行
- ISBN978-4-7583-1579-1
電子版
序文
本書のタイトル『脳動脈瘤に対する血管内治療 知行合一』にある,“知行合一(ちこうごういつ)”は,中国・明代の儒学者である“王陽明” が唱えた陽明学の命題のひとつで,明治維新を支えた幕末志士の精神的指導者として有名な吉田松陰が私塾「松下村塾」の掛け軸に掲げていた名言です。その意味は,「知識を身につけることは行動することの始まりであり,行動することは身につけた知識を完成させることである。」あるいは,「知識を持っていても行動しないことは知識が無いことと同じで,行動してこそ生きた知識になる。」と言うことです。
近年,無作為化比較試験などからなる EBM(Evidence Based Medicine)がもてはやされていますが,時にリアルワールドとの間に大きな乖離があることも事実です。EBMの知識,すなわち“知” をたくさん持っていても,実際の臨床現場では個々の患者さんにとって何が最善の治療なのかを臨機応変に考える能力“行” も必要と思います。
さて,脳動静脈奇形,硬膜動静脈瘻,頚動脈ステント治療など様々な疾患に対する血管内治療があるなかで,脳動脈瘤に対する血管内治療が血管内治療医にとって修得すべき基本手技であることは間違いありません。ただ,その目的はシンプルであり,母血管と周囲正常血管を温存しながら囊状・紡錘状拡張部を閉塞できれば治療が成立してしまいます。極端に言えば,細かい解剖学的知識や神経症候学の知識がなくてもカテーテル手技ができれば事足りるのです。しかし,血管内治療が“手術” である限り,常にリスクとベネフィットの比較,失うものと得るもののバランスを考えながら行われるべきです。例えば,母血管や周囲正常血管を犠牲にしてでも動脈瘤処置を優先させる方が良い場合もあれば,意図して不完全な閉塞で治療を終わらせる場合もあります。手技中にトラブルが発生すれば知識とカテーテル手技を総動員して対応する必要があるでしょう。このためには知識と行動の融合,すなわち“知行合一” が大切なのです。そこで本書では,各項目の前半にエビデンスを含めた知識,後半に実臨床に即した症例を多く呈示して手技の参考となるよう構成することで,“知” と“行” を修得して頂けるように工夫しました。
最後に,本書が読者の皆さんにとって,脳血管内治療を行う上での“知行合一” の一助となれば,これほど嬉しいことはありません。
平成29年11月吉日
順天堂大学医学部脳神経外科・脳神経血管内治療学講座
教授 大石英則
近年,無作為化比較試験などからなる EBM(Evidence Based Medicine)がもてはやされていますが,時にリアルワールドとの間に大きな乖離があることも事実です。EBMの知識,すなわち“知” をたくさん持っていても,実際の臨床現場では個々の患者さんにとって何が最善の治療なのかを臨機応変に考える能力“行” も必要と思います。
さて,脳動静脈奇形,硬膜動静脈瘻,頚動脈ステント治療など様々な疾患に対する血管内治療があるなかで,脳動脈瘤に対する血管内治療が血管内治療医にとって修得すべき基本手技であることは間違いありません。ただ,その目的はシンプルであり,母血管と周囲正常血管を温存しながら囊状・紡錘状拡張部を閉塞できれば治療が成立してしまいます。極端に言えば,細かい解剖学的知識や神経症候学の知識がなくてもカテーテル手技ができれば事足りるのです。しかし,血管内治療が“手術” である限り,常にリスクとベネフィットの比較,失うものと得るもののバランスを考えながら行われるべきです。例えば,母血管や周囲正常血管を犠牲にしてでも動脈瘤処置を優先させる方が良い場合もあれば,意図して不完全な閉塞で治療を終わらせる場合もあります。手技中にトラブルが発生すれば知識とカテーテル手技を総動員して対応する必要があるでしょう。このためには知識と行動の融合,すなわち“知行合一” が大切なのです。そこで本書では,各項目の前半にエビデンスを含めた知識,後半に実臨床に即した症例を多く呈示して手技の参考となるよう構成することで,“知” と“行” を修得して頂けるように工夫しました。
最後に,本書が読者の皆さんにとって,脳血管内治療を行う上での“知行合一” の一助となれば,これほど嬉しいことはありません。
平成29年11月吉日
順天堂大学医学部脳神経外科・脳神経血管内治療学講座
教授 大石英則
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目次
I 総論
脳神経血管内治療の歴史 園部 眞
はじめに
脳血管造影から脳神経血管内治療へ
機器の進歩
治療の対象疾患
学会の変遷
[デバイス総論]
プラチナコイル 佐藤 徹
はじめに
プラチナコイルの基本的構造
コイルの挿入しやすさを決める因子
3-F—theory
外向き,内向き
各社コイルの特徴
最後に
マイクロカテーテル 泉 孝嗣
はじめに
マイクロカテーテルの構造
コイル留置に使用するマイクロカテーテルの先端部分の形状付け
マイクロカテーテルの硬さが動脈瘤治療に与える影響
誘導するデバイスとマイクロカテーテルの内腔
おわりに
ガイディングカテーテル 小山淳一
治療戦略から考える穿刺とガイディングカテーテル
穿刺部位と穿刺法
動脈穿刺法
カテーテルの目的と留置法
症例提示
[治療総論]
破裂脳動脈瘤 松本博之
破裂脳動脈瘤に対するコイル塞栓術のエビデンス
破裂脳動脈瘤に対するコイル塞栓術の適応と周術期管理
破裂脳動脈瘤コイル塞栓術の周術期合併症
注意すべき破裂脳動脈瘤の病態
未破裂脳動脈瘤に対するコイル塞栓術 秋山恭彦
はじめに
未破裂脳動脈瘤の治療適応
未破裂脳動脈瘤治療適応に関するエビデンス
未破裂脳動脈瘤の破裂予測に関するエビデンス
未破裂脳動脈瘤に対する治療法の選択
未破裂脳動脈瘤の治療合併症に関するエビデンス
結語
大型脳動脈瘤に対する血管内治療 鶴田和太郎
はじめに
大型脳動脈瘤の治療適応
大型脳動脈瘤に対する治療法:外科
大型脳動脈瘤に対する血管内治療
まとめ
巨大脳動脈瘤に対する血管内治療 松原俊二
巨大脳動脈瘤の疫学,自然歴,検査
治療方法
外科的手術
II 脳動脈瘤塞栓術,各種テクニックの知行合一
シンプルテクニックを用いた脳動脈瘤塞栓術 野中 雅
はじめに
安定したカテーテル留置
マイクロカテーテルの誘導方法
実際のコイル充填方法
自験例
ダブルカテーテルテクニックを用いた脳動脈瘤塞栓術 石橋敏寛,村山雄一
緒言
器材のセッティング
マイクロカテーテルの誘導
2本のマイクロカテーテルの位置について—
2つのコイルでフレームを作る方法—
ダブルカテーテルテクニックに関してよく聞かれる質問事項
おわりに
バルーンアシストテクニックを用いた脳動脈瘤塞栓術 滝川知司,松丸祐司
アシストバルーンカテーテル留置のテクニック
アシストバルーンカテーテルを用いた塞栓術のテクニック
バルーンアシストテクニックの利点
バルーンアシストテクニックの欠点
バルーンアシストテクニックの選択
ステントアシストテクニックを用いた脳動脈瘤塞栓術:レーザーカットステント 今村博敏,坂井信幸
レーザーカットステントの変遷
Enterprise
Neuroform
レーザーカットステントの治療成績
ステント留置の基本
ステント留置の実際
ステントアシストコイル塞栓術
注意点
症例
まとめ
ステントアシストテクニックを用いた脳動脈瘤塞栓術:ブレイデットステント 奥村浩隆,寺田友昭
概要
歴史
適応
構造とサイズ
適合カテーテル
Flow effect
治療成績
LVIS,LVIS
症例
脳動脈瘤塞栓術における抗凝固血小板療法 榎本由貴子
はじめに
抗凝固薬
抗血小板薬
抗凝固薬・抗血小板薬の使い方
術中血栓症への対処法
薬剤の選択・組み合わせ・投与方法
抗血小板薬不応症
III 部位別,脳動脈瘤塞栓術の知行合一
内頚動脈傍前床突起部動脈瘤 白川 学,吉村紳一
コイル塞栓術のエビデンス
分類方法
治療成績
コイル塞栓術のテクニック
適応
治療戦略
治療戦術
内頚動脈後交通動脈分岐部動脈瘤 石井 暁
自然歴
治療成績
ワーキングプロジェクション
マイクロカテーテルの形状
バルーンアシストテクニック
ダブルカテーテルテクニック
ステントアシストテクニック
破裂動脈瘤と未破裂脳動脈瘤の治療目的
Pcomの温存
根治性
内頚動脈前脈絡叢動脈分岐部動脈瘤 廣畑 優,青木孝親,藤村直子
前脈絡叢動脈
内頚動脈前脈絡叢動脈分岐部動脈瘤(IC-AChA—AN)
内頚動脈前脈絡叢動脈分岐部動脈瘤に対する手術
シンプルテクニック
Balloon
ダブルカテーテルテクニック(DC)
BNRとDCの併用
前交通動脈瘤 藤中俊之
シンプルテクニック
ダブルカテーテルテクニック
バルーンアシストテクニック
ステントアシストテクニック
治療適応
治療戦略
術後経過観察
前大脳動脈遠位部動脈瘤 里見淳一郎
はじめに
ACA ANに対する治療選択のエビデンス
前大脳動脈末梢部動脈瘤の特徴
カテーテルのセットアップ,動脈瘤への誘導
動脈瘤塞栓術
中大脳動脈瘤 加藤徳之
発生
分岐パターンと分類
治療
症例
治療戦略
ステント選択
今後の展望
まとめ
脳底動脈先端部動脈瘤 長谷川 仁
疫学
治療
シンプルテクニック
バルーンアシストテクニック
ステントアシストテクニック(レーザーカットステント)
ステントアシストテクニック(ブレイデッドステント)
ステントアンドバルーンアシストテクニック
Horizontal—stenting
治療成績
適応
治療戦略
治療戦術
おわりに
脳底動脈上小脳動脈分岐部動脈瘤 菱川朋人,杉生憲志
上小脳動脈の解剖
上小脳動脈瘤
シンプルテクニック
バルーンアシストテクニック
ダブルカテーテルテクニック
ステントアシストテクニックとダブルカテーテルテクニックを併用した複合テクニック
治療成績
治療適応
治療戦略
椎骨脳底動脈解離性動脈瘤 小林英一
はじめに
発症機序,自然歴,治療方針
画像診断
治療戦略
脳血管内治療の実際
術後管理
椎骨脳底動脈の穿通枝解剖
内頚動脈解離性動脈瘤 池田 剛,中居康展
はじめに
疫学,病理
治療方法
治療成績
症例
診断
治療
周術期管理
フォローアップ
IV フローダイバーター,近未来デバイス,CFDの知行合一
フローダイバーターステント:Pipeline Flex 矢富謙治,大石英則
構造・特性とその適応
エビデンス
Pipelineの合併症
Pipeline治療の実際
周術期管理
近未来の脳動脈瘤塞栓術デバイス:分岐部脳動脈瘤のステント治療 立嶋 智
過去から近未来の脳動脈瘤塞栓術に至る経緯
分岐部動脈瘤に対するステント留置の問題と解決
非円柱形状ステント,PulseRider
非円柱形状ステント,Barrel
瘤内留置専用メッシュデバイス:WEB, Contour
何をもって成功としたのか,その背景を知る:End
症例1:PulseRiderを上手く使うコツ
症例2:ArtisseやWEBを上手く使うコツ—
まとめ
Computational fluid dynamics(CFD)の脳動脈瘤治療への応用 杉山慎一郎,松本康史,冨永悌二
はじめに
CFDの手順(直円管の例)
流体力学の基礎知識
CFDを用いた脳動脈瘤の血流解析
CFDによる血流解析結果解釈
各種治療方法に対する脳動脈瘤への流入血流の影響
CFD血流解析の普及に向けて
将来に期待される役割
脳神経血管内治療の歴史 園部 眞
はじめに
脳血管造影から脳神経血管内治療へ
機器の進歩
治療の対象疾患
学会の変遷
[デバイス総論]
プラチナコイル 佐藤 徹
はじめに
プラチナコイルの基本的構造
コイルの挿入しやすさを決める因子
3-F—theory
外向き,内向き
各社コイルの特徴
最後に
マイクロカテーテル 泉 孝嗣
はじめに
マイクロカテーテルの構造
コイル留置に使用するマイクロカテーテルの先端部分の形状付け
マイクロカテーテルの硬さが動脈瘤治療に与える影響
誘導するデバイスとマイクロカテーテルの内腔
おわりに
ガイディングカテーテル 小山淳一
治療戦略から考える穿刺とガイディングカテーテル
穿刺部位と穿刺法
動脈穿刺法
カテーテルの目的と留置法
症例提示
[治療総論]
破裂脳動脈瘤 松本博之
破裂脳動脈瘤に対するコイル塞栓術のエビデンス
破裂脳動脈瘤に対するコイル塞栓術の適応と周術期管理
破裂脳動脈瘤コイル塞栓術の周術期合併症
注意すべき破裂脳動脈瘤の病態
未破裂脳動脈瘤に対するコイル塞栓術 秋山恭彦
はじめに
未破裂脳動脈瘤の治療適応
未破裂脳動脈瘤治療適応に関するエビデンス
未破裂脳動脈瘤の破裂予測に関するエビデンス
未破裂脳動脈瘤に対する治療法の選択
未破裂脳動脈瘤の治療合併症に関するエビデンス
結語
大型脳動脈瘤に対する血管内治療 鶴田和太郎
はじめに
大型脳動脈瘤の治療適応
大型脳動脈瘤に対する治療法:外科
大型脳動脈瘤に対する血管内治療
まとめ
巨大脳動脈瘤に対する血管内治療 松原俊二
巨大脳動脈瘤の疫学,自然歴,検査
治療方法
外科的手術
II 脳動脈瘤塞栓術,各種テクニックの知行合一
シンプルテクニックを用いた脳動脈瘤塞栓術 野中 雅
はじめに
安定したカテーテル留置
マイクロカテーテルの誘導方法
実際のコイル充填方法
自験例
ダブルカテーテルテクニックを用いた脳動脈瘤塞栓術 石橋敏寛,村山雄一
緒言
器材のセッティング
マイクロカテーテルの誘導
2本のマイクロカテーテルの位置について—
2つのコイルでフレームを作る方法—
ダブルカテーテルテクニックに関してよく聞かれる質問事項
おわりに
バルーンアシストテクニックを用いた脳動脈瘤塞栓術 滝川知司,松丸祐司
アシストバルーンカテーテル留置のテクニック
アシストバルーンカテーテルを用いた塞栓術のテクニック
バルーンアシストテクニックの利点
バルーンアシストテクニックの欠点
バルーンアシストテクニックの選択
ステントアシストテクニックを用いた脳動脈瘤塞栓術:レーザーカットステント 今村博敏,坂井信幸
レーザーカットステントの変遷
Enterprise
Neuroform
レーザーカットステントの治療成績
ステント留置の基本
ステント留置の実際
ステントアシストコイル塞栓術
注意点
症例
まとめ
ステントアシストテクニックを用いた脳動脈瘤塞栓術:ブレイデットステント 奥村浩隆,寺田友昭
概要
歴史
適応
構造とサイズ
適合カテーテル
Flow effect
治療成績
LVIS,LVIS
症例
脳動脈瘤塞栓術における抗凝固血小板療法 榎本由貴子
はじめに
抗凝固薬
抗血小板薬
抗凝固薬・抗血小板薬の使い方
術中血栓症への対処法
薬剤の選択・組み合わせ・投与方法
抗血小板薬不応症
III 部位別,脳動脈瘤塞栓術の知行合一
内頚動脈傍前床突起部動脈瘤 白川 学,吉村紳一
コイル塞栓術のエビデンス
分類方法
治療成績
コイル塞栓術のテクニック
適応
治療戦略
治療戦術
内頚動脈後交通動脈分岐部動脈瘤 石井 暁
自然歴
治療成績
ワーキングプロジェクション
マイクロカテーテルの形状
バルーンアシストテクニック
ダブルカテーテルテクニック
ステントアシストテクニック
破裂動脈瘤と未破裂脳動脈瘤の治療目的
Pcomの温存
根治性
内頚動脈前脈絡叢動脈分岐部動脈瘤 廣畑 優,青木孝親,藤村直子
前脈絡叢動脈
内頚動脈前脈絡叢動脈分岐部動脈瘤(IC-AChA—AN)
内頚動脈前脈絡叢動脈分岐部動脈瘤に対する手術
シンプルテクニック
Balloon
ダブルカテーテルテクニック(DC)
BNRとDCの併用
前交通動脈瘤 藤中俊之
シンプルテクニック
ダブルカテーテルテクニック
バルーンアシストテクニック
ステントアシストテクニック
治療適応
治療戦略
術後経過観察
前大脳動脈遠位部動脈瘤 里見淳一郎
はじめに
ACA ANに対する治療選択のエビデンス
前大脳動脈末梢部動脈瘤の特徴
カテーテルのセットアップ,動脈瘤への誘導
動脈瘤塞栓術
中大脳動脈瘤 加藤徳之
発生
分岐パターンと分類
治療
症例
治療戦略
ステント選択
今後の展望
まとめ
脳底動脈先端部動脈瘤 長谷川 仁
疫学
治療
シンプルテクニック
バルーンアシストテクニック
ステントアシストテクニック(レーザーカットステント)
ステントアシストテクニック(ブレイデッドステント)
ステントアンドバルーンアシストテクニック
Horizontal—stenting
治療成績
適応
治療戦略
治療戦術
おわりに
脳底動脈上小脳動脈分岐部動脈瘤 菱川朋人,杉生憲志
上小脳動脈の解剖
上小脳動脈瘤
シンプルテクニック
バルーンアシストテクニック
ダブルカテーテルテクニック
ステントアシストテクニックとダブルカテーテルテクニックを併用した複合テクニック
治療成績
治療適応
治療戦略
椎骨脳底動脈解離性動脈瘤 小林英一
はじめに
発症機序,自然歴,治療方針
画像診断
治療戦略
脳血管内治療の実際
術後管理
椎骨脳底動脈の穿通枝解剖
内頚動脈解離性動脈瘤 池田 剛,中居康展
はじめに
疫学,病理
治療方法
治療成績
症例
診断
治療
周術期管理
フォローアップ
IV フローダイバーター,近未来デバイス,CFDの知行合一
フローダイバーターステント:Pipeline Flex 矢富謙治,大石英則
構造・特性とその適応
エビデンス
Pipelineの合併症
Pipeline治療の実際
周術期管理
近未来の脳動脈瘤塞栓術デバイス:分岐部脳動脈瘤のステント治療 立嶋 智
過去から近未来の脳動脈瘤塞栓術に至る経緯
分岐部動脈瘤に対するステント留置の問題と解決
非円柱形状ステント,PulseRider
非円柱形状ステント,Barrel
瘤内留置専用メッシュデバイス:WEB, Contour
何をもって成功としたのか,その背景を知る:End
症例1:PulseRiderを上手く使うコツ
症例2:ArtisseやWEBを上手く使うコツ—
まとめ
Computational fluid dynamics(CFD)の脳動脈瘤治療への応用 杉山慎一郎,松本康史,冨永悌二
はじめに
CFDの手順(直円管の例)
流体力学の基礎知識
CFDを用いた脳動脈瘤の血流解析
CFDによる血流解析結果解釈
各種治療方法に対する脳動脈瘤への流入血流の影響
CFD血流解析の普及に向けて
将来に期待される役割
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学んだ知識を実際の手術治療に如何に活かすか,脳血管内治療医,必読!
本書のタイトルにある「知行合一」とは,儒学 陽明学の命題の一つであり,また吉田松陰が私塾「松下村塾」の掛け軸に掲げていた名言でもある。その意味は,知識を身につけることは行動することの始まりであり,行動することは身につけた知識を完成させることである。または,知識を持っていても行動しないことは知識が無いことと同じで,行動してこそ生きた知識になると言うことである。
編者はこれを,教科書や学会などで得た知識はみずから実践工夫し手術治療などに活かして,より良い医療を患者に提供できてこそ生きた知識となり,どんなに手術治療や稀少疾患を数多く経験してもそれが知識に裏付けられたもので無ければ医師としての真の力量にはならないことと解釈して,本書の書名に掲げた。
本書は,脳神経血管内治療医を目指す医師にはその心構えを学ぶことができ,また専門医にとってはステップアップを図ることのできる有用な書籍である。