ゼロからマスター
脊椎超音波ガイド下ブロック
[Web動画付]
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どなたでもご覧いただけます
定価 10,450円(税込) (本体9,500円+税)
- B5変型判 144ページ オールカラー,イラスト100点,写真120点,Web動画 14本/計23分
- 2017年3月24日刊行
- ISBN978-4-7583-1559-3
電子版
序文
本書のタイトルは『ゼロからマスター 脊椎超音波ガイド下ブロック』である。超音波診断装置の歴史は古く,現在ではほとんどの施設に広く普及している診断機器である。その特徴はリアルタイムに体内の構造を評価できること,患者に対し侵襲性がなく安全であること,比較的安価で取り扱いが簡単であることなどが挙げられる。しかし,脊椎脊髄疾患を扱う脳神経外科医や整形外科医にとっては画像検査機器としてまず頭に浮かぶのはX線・CT・MRIなどであり,超音波診断装置はあまり馴染みがないかたも多いかもしれない。一方,神経ブロックはさまざまな神経疾患に対する診断・治療のための手技として普及している。正確性を期すためX線透視下で行うこともあるが,X線透視室を確保し患者を診察室から移動させるなど煩雑となる。一方,盲目的な手技では正確性や安全性に問題が残りブロックの有効性も低下しかねない。
本書は超音波診断装置の利点を活かしながらさまざまな神経ブロックを安全・確実に行う手技を紹介している。豊富な写真やイラストを用いて超音波診断装置の取り扱いから神経ブロックの細かな手技まで初心者にもたいへんわかりやすく書かれている。また,身近な日用品を用いた練習方法まで紹介されており,まさに手取り足取りの解説書となっている。皆様の臨床にすぐにお役立ていただきただけるものと確信している。
2017年2月
愛知医科大学脳神経外科教授・脊椎脊髄センター長
高安正和
--------------------------------------------------------------------------
「超音波装置をまったく触ったことがなく,神経ブロックなんてしたこともなかった私ですら,外来で,5分で,簡単に神経ブロックができるようになるんです!」
私が超音波ガイド下神経ブロックと出会ったのは4,5年前だったと思います。9階にある医局から,7階の病棟に向かう狭い階段で,整形外科脊椎班の先輩に呼び止められたところからはじまりました。「麻酔科の小松先生が,超音波ガイド下に頚神経根ブロックをしているようだから一度,一緒に見にいかない?」と。
正直,見にいくまでは,「超音波で頚神経根が見えるわけない,頚神経根らしいトコロか,腕神経叢に浸潤麻酔するだけでしょ!」と思っていました。しかし,目の当たりにした超音波ガイド下神経ブロックは衝撃的なものでした。
C5,6,7,8どの神経根にも選択的にブロックできてしまうんです。しかも,外来の診察室で,5分程度で……。私はそのときから,超音波の虜になっていました。
超音波ガイド下ブロックをまったくのゼロからはじめた私にしかわからない,いくつかの壁があります。本書では,その壁の乗り越えかたを,電源の場所から紹介しています。ぜひ,総論から目を通してみてください。すぐに超音波を触りたくなると思います。
おすすめは,本テキストを右手に持って,そのまま超音波室に向かってください。そして,超音波技師さんに「必須7つボタンの場所」を聞いてマーキングしておいてください。7つ以上,触るボタンやダイヤルはありません。その時点で超音波ガイド下ブロックの70%は終了です。
あとは,それぞれのブロックで必要なランドマークを見つけるだけです。
私でさえできるようになりました。当然,あなたにも簡単にできます!
最後に,超音波ブロックを教えてくださった麻酔科の小松 徹前教授,藤原祥裕教授,私に超音波への道を開いてくださった整形外科の神谷光広先生,超音波研究を後押ししてくださった脳神経外科の高安正和教授,各セクションを担当してくださった先生方,そして本書の出版に協力していただいたメジカルビュー社の苅谷竜太郎様に感謝いたします。
2017年2月
愛知医科大学脳神経外科学講師
竹内幹伸
本書は超音波診断装置の利点を活かしながらさまざまな神経ブロックを安全・確実に行う手技を紹介している。豊富な写真やイラストを用いて超音波診断装置の取り扱いから神経ブロックの細かな手技まで初心者にもたいへんわかりやすく書かれている。また,身近な日用品を用いた練習方法まで紹介されており,まさに手取り足取りの解説書となっている。皆様の臨床にすぐにお役立ていただきただけるものと確信している。
2017年2月
愛知医科大学脳神経外科教授・脊椎脊髄センター長
高安正和
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「超音波装置をまったく触ったことがなく,神経ブロックなんてしたこともなかった私ですら,外来で,5分で,簡単に神経ブロックができるようになるんです!」
私が超音波ガイド下神経ブロックと出会ったのは4,5年前だったと思います。9階にある医局から,7階の病棟に向かう狭い階段で,整形外科脊椎班の先輩に呼び止められたところからはじまりました。「麻酔科の小松先生が,超音波ガイド下に頚神経根ブロックをしているようだから一度,一緒に見にいかない?」と。
正直,見にいくまでは,「超音波で頚神経根が見えるわけない,頚神経根らしいトコロか,腕神経叢に浸潤麻酔するだけでしょ!」と思っていました。しかし,目の当たりにした超音波ガイド下神経ブロックは衝撃的なものでした。
C5,6,7,8どの神経根にも選択的にブロックできてしまうんです。しかも,外来の診察室で,5分程度で……。私はそのときから,超音波の虜になっていました。
超音波ガイド下ブロックをまったくのゼロからはじめた私にしかわからない,いくつかの壁があります。本書では,その壁の乗り越えかたを,電源の場所から紹介しています。ぜひ,総論から目を通してみてください。すぐに超音波を触りたくなると思います。
おすすめは,本テキストを右手に持って,そのまま超音波室に向かってください。そして,超音波技師さんに「必須7つボタンの場所」を聞いてマーキングしておいてください。7つ以上,触るボタンやダイヤルはありません。その時点で超音波ガイド下ブロックの70%は終了です。
あとは,それぞれのブロックで必要なランドマークを見つけるだけです。
私でさえできるようになりました。当然,あなたにも簡単にできます!
最後に,超音波ブロックを教えてくださった麻酔科の小松 徹前教授,藤原祥裕教授,私に超音波への道を開いてくださった整形外科の神谷光広先生,超音波研究を後押ししてくださった脳神経外科の高安正和教授,各セクションを担当してくださった先生方,そして本書の出版に協力していただいたメジカルビュー社の苅谷竜太郎様に感謝いたします。
2017年2月
愛知医科大学脳神経外科学講師
竹内幹伸
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目次
Ⅰ.ゼロから使いこなそう超音波ガイド下ブロック
超音波装置の選びかた・使いかた 竹内幹伸
Ⅱ.ゼロからの頚神経ブロック
大後頭神経/第三後頭神経ブロック 竹内幹伸
頚神経根ブロック 竹内幹伸
星状神経節ブロック 橋本 篤
Ⅲ.ゼロからの仙骨ブロック
仙骨裂孔ブロック 檜木 茂
Ⅳ.ゼロからの超音波ガイド下ボツリヌス療法
超音波ガイド下ボツリヌス療法 竹内裕喜,ほか
コラム
超音波ガイド下ブロックの練習方法 竹内幹伸
X線の時代は終わった! 肋骨骨折の診断に利用してみよう! 加藤雅哉
外傷治療に超音波を使ってみよう! 加藤雅哉
超音波装置の選びかた・使いかた 竹内幹伸
Ⅱ.ゼロからの頚神経ブロック
大後頭神経/第三後頭神経ブロック 竹内幹伸
頚神経根ブロック 竹内幹伸
星状神経節ブロック 橋本 篤
Ⅲ.ゼロからの仙骨ブロック
仙骨裂孔ブロック 檜木 茂
Ⅳ.ゼロからの超音波ガイド下ボツリヌス療法
超音波ガイド下ボツリヌス療法 竹内裕喜,ほか
コラム
超音波ガイド下ブロックの練習方法 竹内幹伸
X線の時代は終わった! 肋骨骨折の診断に利用してみよう! 加藤雅哉
外傷治療に超音波を使ってみよう! 加藤雅哉
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超音波ガイドで,超確実なブロックを
頚部や腰部の疼痛やしびれに対するブロック療法の効果は広く知られるところである。しかし従来のメルクマール法は難度が高く,習熟した技術をもつ医師以外にはあまり用いられてこなかった。
近年,超音波機器とそれを用いた診断技術の進歩は目覚ましく,神経領域での活用も増加してきている。超音波ガイド下のブロックはリアルタイムで麻酔の注入を確認できるため安全であり,短時間の処置で除痛効果が得られる。脊椎由来の痛みや四肢の痙縮は神経疾患として脳神経外科の開業医や病院外来で多く遭遇する愁訴であり,整形外科でも外来受診理由の上位である。超音波ガイド下ブロックのニーズは今後も増大していくと予想され,本書はそれに確実に応えられる入門書である。