消化器外科医に必要な
ちょっと先いく画像診断
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定価 9,900円(税込) (本体9,000円+税)
- A4判 240ページ オールカラー,イラスト50点,写真300点
- 2015年7月13日刊行
- ISBN978-4-7583-1519-7
電子版
序文
巻頭言
「消化器外科医に必要なちょっと先いく画像診断」 発刊に際し,ご挨拶申し上げます。
本書は,第70回日本消化器外科学会総会開催を記念して上梓されました。当初は業績集を発行する案もあったのですが,臨床に役立つ実用的な内容にしたいとの教室員の強い希望があり,このような,書店に並ぶ臨床系の本と同様の形式となった次第です。本書は構想からほぼ1年かけて完成しましたが,当初からメジカルビュー社が市販することを前提として進めて参りました。魅力ある本とするために細かい指導も受け,題名も手軽に手にとって頂くために平易な表現にしました。
本誌のテーマである画像診断は,教室でこれまで一貫して行ってきた研究テーマの一つです。総論では,本書で取り上げる画像診断法について解説し,各論ではわれわれが実際に経験した症例を提示し,写真や図による解説を主体としています。総論は教室外の先生方を中心に執筆して頂きましたが,各論および基礎・研究分野におけるイメージングに関しては,大部分は当科の教室員が執筆しています。掲載内容は,当科でこれまでに積み上げられた臨床および基礎医学の成果が主体ではありますが,浜松医科大学放射線診断部,消化器内科,基礎医学講座等との共同研究や,浜松ホトニクス社等との産学共同研究プロジェクトによる成果も含まれています。さらにはこの分野で先駆的な仕事をされている他大学・施設の先生方にも執筆して頂きました。近年の画像診断技術の進歩には顕著なものがあり,既に多くのご施設でも独自の画像診断技術による成果が報告され臨床に応用されているものと思いますが,本書をご一読頂き,ご批判を賜れば幸いです。
総会開催前に上梓できたことを大変嬉しく思っています。スタッフの尽力に感謝すると共に,本書が少しでも,特に若い先生方の日常診療にお役立て頂ければ望外の喜びです。
2015年6月
今野 弘之
「消化器外科医に必要なちょっと先いく画像診断」 発刊に際し,ご挨拶申し上げます。
本書は,第70回日本消化器外科学会総会開催を記念して上梓されました。当初は業績集を発行する案もあったのですが,臨床に役立つ実用的な内容にしたいとの教室員の強い希望があり,このような,書店に並ぶ臨床系の本と同様の形式となった次第です。本書は構想からほぼ1年かけて完成しましたが,当初からメジカルビュー社が市販することを前提として進めて参りました。魅力ある本とするために細かい指導も受け,題名も手軽に手にとって頂くために平易な表現にしました。
本誌のテーマである画像診断は,教室でこれまで一貫して行ってきた研究テーマの一つです。総論では,本書で取り上げる画像診断法について解説し,各論ではわれわれが実際に経験した症例を提示し,写真や図による解説を主体としています。総論は教室外の先生方を中心に執筆して頂きましたが,各論および基礎・研究分野におけるイメージングに関しては,大部分は当科の教室員が執筆しています。掲載内容は,当科でこれまでに積み上げられた臨床および基礎医学の成果が主体ではありますが,浜松医科大学放射線診断部,消化器内科,基礎医学講座等との共同研究や,浜松ホトニクス社等との産学共同研究プロジェクトによる成果も含まれています。さらにはこの分野で先駆的な仕事をされている他大学・施設の先生方にも執筆して頂きました。近年の画像診断技術の進歩には顕著なものがあり,既に多くのご施設でも独自の画像診断技術による成果が報告され臨床に応用されているものと思いますが,本書をご一読頂き,ご批判を賜れば幸いです。
総会開催前に上梓できたことを大変嬉しく思っています。スタッフの尽力に感謝すると共に,本書が少しでも,特に若い先生方の日常診療にお役立て頂ければ望外の喜びです。
2015年6月
今野 弘之
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目次
総論
NBI(narrow band imaging) (後野和弘)
CTによる三次元画像―きれいな三次元画像を作成するコツ― (坂口孝宣)
MRIによる血流解析 (竹原康雄,杉山将隆)
インドシアニングリーン蛍光イメージング(ICG蛍光法)の原理と応用 (三輪光春)
各論
●術前イメージング
食道癌の内視鏡NBI診断 (大澤 恵)
胃癌の内視鏡NBI診断 (丸山保彦)
消化器系臓器の血管解剖―消化器系臓器血管解剖の把握は手術に役立つ― (坂口孝宣,飯野一郎太)
胃GISTの画像診断―3D fusion imageの応用 (宮﨑真一郎)
3 D-CTを用いた胃GIST 手術における術前血管立体再構築画像の有用性 (尾﨑裕介,菊池寛利)
早期胃癌手術における術前血管解剖解析:3D-gastrography―完全腹腔鏡下手術を安全に施行するための工夫― (松本知拓,菊池寛利)
大腸癌手術時の3D-angiography,CT colonography の有用性 (倉地清隆,岩月建磨)
消化器領域におけるFDG-PET/CT診断の役割 (鳥塚達郎)
膵十二指腸動脈瘤の4D-Flow解析 (眞野勇記)
腹部内臓動脈解離の画像 (犬塚和徳)
下肢深部静脈血栓症画像を契機に発見される悪性腫瘍 (佐野真規)
●術中イメージング
胃癌におけるNBI併用審査腹腔鏡の術中画像と評価 (菊池寛利)
管内発育型胃SMTに対する腹腔鏡下術中超音波検査の有用性 (川端俊貴)
食道癌術後の乳び胸の画像診断(シンチグラム,ICG蛍光,リンパ管造影)-1 (神谷欣志)
食道癌術後の乳び胸の画像診断(シンチグラム,ICG蛍光,リンパ管造影)-2 (武居友子,竹内裕也,北川雄光)
下咽頭・頸部食道癌切除後の遊離空腸再建手術における術中血流イメージング(ICG 蛍光) (神谷欣志)
腸閉塞,虚血性腸疾患の腸間血流イメージング(ICG蛍光)-1 (平松良浩,高橋善明)
腸閉塞,虚血性腸疾患の腸間血流イメージング(ICG蛍光)-2(NOMI) (似鳥修弘)
壊死型虚血性腸炎の緊急手術時の画像診断 (原田 岳)
低位前方切除術におけるICG蛍光切離線(吻合部)設定 (山本真義)
肝胆膵手術時の蛍光胆道造影による胆汁漏の描出(ICG蛍光) (武田 真,坂口孝宣)
インドシアニングリーン(ICG)蛍光観察を併用した胆嚢摘出時の胆道および血管の同定 (多賀谷信美)
肝区域切除時の区域同定のためのICG-LED蛍光法 (青木武士,村上雅彦,古泉友丈,草野満夫)
腹部内臓動脈瘤手術時の血行再建と蛍光血管撮影(ICG蛍光) (海野直樹)
●術後イメージング
術後静脈血栓塞栓症診断 (山本尚人)
腹部大動脈瘤術後の血流解析(4D-Flow) (阪田麻裕)
基礎・研究分野におけるイメージング
質量顕微鏡の原理と肝臓癌,肝組織の質量顕微鏡分析 (柴崎 泰)
腹部大動脈瘤の質量顕微鏡分析 (田中宏樹)
ラマン分光法の原理と胃癌診断への応用 (川端俊貴)
癌腹膜播種モデルマウスにおけるin vivoイメージング (藤田 剛)
NBI(narrow band imaging) (後野和弘)
CTによる三次元画像―きれいな三次元画像を作成するコツ― (坂口孝宣)
MRIによる血流解析 (竹原康雄,杉山将隆)
インドシアニングリーン蛍光イメージング(ICG蛍光法)の原理と応用 (三輪光春)
各論
●術前イメージング
食道癌の内視鏡NBI診断 (大澤 恵)
胃癌の内視鏡NBI診断 (丸山保彦)
消化器系臓器の血管解剖―消化器系臓器血管解剖の把握は手術に役立つ― (坂口孝宣,飯野一郎太)
胃GISTの画像診断―3D fusion imageの応用 (宮﨑真一郎)
3 D-CTを用いた胃GIST 手術における術前血管立体再構築画像の有用性 (尾﨑裕介,菊池寛利)
早期胃癌手術における術前血管解剖解析:3D-gastrography―完全腹腔鏡下手術を安全に施行するための工夫― (松本知拓,菊池寛利)
大腸癌手術時の3D-angiography,CT colonography の有用性 (倉地清隆,岩月建磨)
消化器領域におけるFDG-PET/CT診断の役割 (鳥塚達郎)
膵十二指腸動脈瘤の4D-Flow解析 (眞野勇記)
腹部内臓動脈解離の画像 (犬塚和徳)
下肢深部静脈血栓症画像を契機に発見される悪性腫瘍 (佐野真規)
●術中イメージング
胃癌におけるNBI併用審査腹腔鏡の術中画像と評価 (菊池寛利)
管内発育型胃SMTに対する腹腔鏡下術中超音波検査の有用性 (川端俊貴)
食道癌術後の乳び胸の画像診断(シンチグラム,ICG蛍光,リンパ管造影)-1 (神谷欣志)
食道癌術後の乳び胸の画像診断(シンチグラム,ICG蛍光,リンパ管造影)-2 (武居友子,竹内裕也,北川雄光)
下咽頭・頸部食道癌切除後の遊離空腸再建手術における術中血流イメージング(ICG 蛍光) (神谷欣志)
腸閉塞,虚血性腸疾患の腸間血流イメージング(ICG蛍光)-1 (平松良浩,高橋善明)
腸閉塞,虚血性腸疾患の腸間血流イメージング(ICG蛍光)-2(NOMI) (似鳥修弘)
壊死型虚血性腸炎の緊急手術時の画像診断 (原田 岳)
低位前方切除術におけるICG蛍光切離線(吻合部)設定 (山本真義)
肝胆膵手術時の蛍光胆道造影による胆汁漏の描出(ICG蛍光) (武田 真,坂口孝宣)
インドシアニングリーン(ICG)蛍光観察を併用した胆嚢摘出時の胆道および血管の同定 (多賀谷信美)
肝区域切除時の区域同定のためのICG-LED蛍光法 (青木武士,村上雅彦,古泉友丈,草野満夫)
腹部内臓動脈瘤手術時の血行再建と蛍光血管撮影(ICG蛍光) (海野直樹)
●術後イメージング
術後静脈血栓塞栓症診断 (山本尚人)
腹部大動脈瘤術後の血流解析(4D-Flow) (阪田麻裕)
基礎・研究分野におけるイメージング
質量顕微鏡の原理と肝臓癌,肝組織の質量顕微鏡分析 (柴崎 泰)
腹部大動脈瘤の質量顕微鏡分析 (田中宏樹)
ラマン分光法の原理と胃癌診断への応用 (川端俊貴)
癌腹膜播種モデルマウスにおけるin vivoイメージング (藤田 剛)
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術前だけでなく術中・術後にも役立つ浜松医大第二外科渾身の1冊
消化器外科と血管外科の共同による最先端の治療を行っている浜松医科大学第二外科を中心に,国内のスペシャリストがそれぞれの得意な領域を生かした執筆で,消化器外科における先駆的なイメージング技術をまとめた1冊。
NBI画像,CT三次元画像,ICG蛍光,三次元画像構築など,現在画像診断関連において有効と言われている新しい手法を用いて,画像構築をし,より正確かつ安全に手術を行うための一助となるよう具体的に解説。日常診療における興味深い画像(症例)を提示し,実際に使用した造影剤,診断した理由などを明記。術前だけでなく術中・術後にも役立つ,消化器外科医が実臨床に活用できる内容となっている。
今後新たな展開を見せると思われる質量顕微鏡,ラマン分光法など,近未来の画像イメージングの世界を先取りした内容も掲載している。