がん研スタイル 癌の標準手術

胃癌

胃癌

■編集 佐野 武

定価 13,200円(税込) (本体12,000円+税)
  • A4判  192ページ  オールカラー,イラスト220点
  • 2015年3月10日刊行
  • ISBN978-4-7583-1507-4

がん研有明病院で行われている癌の標準手術(がん研スタイル)を,豊富なイラストで解説

「がん研有明病院」で行われている胃癌の標準手術(がん研スタイル)を,手術手順に沿って,各場面でのポイントをイラストで示しながら手技上の注意点・コツをわかりやすく解説。癌の基本的な手技を学ぼうとする若手外科医にとっては,どこにいても現在トップレベルの癌専門施設での手技が学べる書籍である。

■シリーズ監修
山口俊晴


序文

 胃は,私たちの摂食行動において重要な機能を持つ臓器である。胃の手術は多かれ少なかれこの機能を障害するため,胃癌手術では根治性と機能温存のバランスを考慮して術式を選択することになる。とはいえ,プライオリティーは何といっても根治性に置かれるべきであろう。まずは根治性の高い手術を安全に行う技術を身につけることが,消化器外科医にとってのノルマである。機能温存を考慮して術式をモディファイするのは次のステップであるが,これもまたきちんとした根拠に基づくべきであり,易しいことではない。
 がん研有明病院の胃外科では,年間500例以上の胃癌切除手術を行うが,全ての症例の術式は週2 回の術前検討会の合意で決まる。この検討会には食道・大腸・肝胆膵を専門とする外科医も参加するので,担当医は消化器外科医が誰でも納得する術式を呈示しなければならない。新しい術式は慎重に取り入れられ,伝統的な術式には常に最新の評価が行われる。こうして一定の基準に基づく術式が選択されるが,例えば「D2 リンパ節郭清を伴う開腹幽門側胃切除術」といっても,皮切から閉創までの3時間に行われる個々のプロセスには驚くほどのバリエーションがある。私たちは,がん研に伝わる伝統的術式を踏襲しようとするよりむしろ,外科医一人一人が自分の信じるテクニックを駆使しながら「正確なD2郭清」や「より低侵襲で安全な腹腔鏡下胃切除」といったゴールを目指すという方針をとっている。
 本書は,がん研有明病院胃外科で行われる胃癌手術の主たる術式を,教科書的伝統にこだわることなく,それぞれの外科医が自らの考えに基づいて記述したものである。「がん研スタイル」という確立・固定した術式があるのではなく,さまざまな技術で多数例をこなし,これを互いに評価し合う中で生まれてくる「常に変化しつつ前進する技術を求めること」が私たちの「がん研スタイル」であり,本書でこの一面をくみ取っていただければ幸いである。

2015年2月
佐野 武
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目次

Ⅰ.総論
  1. 術式選択基準
  2. 術前準備
  3. 術後クリニカルパス

Ⅱ. 手術手技
 ■胃切除と再建
  1. 早期胃癌に対する腹腔鏡下幽門側胃切除術
  2. 早期胃癌に対する腹腔鏡下幽門保存胃切除術
  3. 早期胃癌に対する腹腔鏡下胃全摘術
  4. 早期胃癌に対する腹腔鏡下噴門側胃切除術
  5. 進行胃癌に対する幽門側胃切除術
  6. 進行胃癌に対する胃全摘術±脾摘術
  7. 食道浸潤胃癌に対する経裂孔的下部食道間膜全切除術
  8. 食道浸潤胃癌に対する左胸腹連続切開アプローチ
 ■リンパ節郭清
  1. 腹腔鏡下手術におけるD1+郭清
  2. 腹腔鏡下幽門側胃切除術におけるD2郭清
  3. 幽門側胃切除のD2郭清
  4. 胃全摘術±脾摘術のD2郭清
  5. 術前化学療法例に対する大動脈周囲リンパ節郭清
 ■その他の手技
  1. 審査腹腔鏡
  2. 幽門狭窄に対する胃空腸バイパス術
  3. 胃粘膜下腫瘍に対するLECS
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